ID: 748008 | |
アグリフ イーヴィル ブレイド | |
NPC
レベル: 1 HP: 63 攻撃半径: 0m | |
Dialogs: 魔剣をいつ、誰が作ったのかについては明白な歴史的事実があるにもかかわらず、魔剣に関する噂の半分は嘘である。 そうなった背景には、他人の悲劇についてあれこれしゃべるのが好きだという人の習性以外に、魔剣にかけられた呪いが大きな役割を果たしている。 広く知られているように、魔剣は強大な力を持つと同時に、持った者の心を歪ませる呪いが宿っている。それゆえ人びとは魔剣にあこがれながらも怯え、その怯えは様々な憶測を呼び、数知れない間違った噂を生んだ。 この本は、私が生涯をかけて魔界を放浪し、魔剣について飛び交う噂を収集してまとめたものである。それは、ただ唯一の純粋な目的、魔剣に関する真実と偽りを明らかにしたいという情熱があったからこそ可能だったと記しておきたい。 1. 魔剣を作ったのは誰か アグリフが魔剣を作ったという事実を疑う人が意外と多い。この説は、たかが人間がそんな魔力を持った剣を作れるわけがないという疑惑から生じたと見ることができる。 中でも最も広まった噂は、魔剣を作った本当の人物は、アグリフに変装した堕落した古代ディーヴァだという説だ。また、エレシュランタで魔族が劣勢に立たされたときは、魔族を混乱に陥らせるために天族がわざと作って置いていったという噂まで飛び交った。 だが、アグリフの弟子だったパンデモニウムの名匠、ユゼナの証言は確固たるものだ。 「まともに返答する価値すらない噂に過ぎませんね。神に誓って、アグリフが剣の刃を焼き入れる姿まで、すべてをこの目で見守ったのですから」 2. 魔剣の最初の持ち主について 実際のところ、魔剣の最初の持ち主に関しては、定かではない部分がある。なぜなら、魔剣が完成した直後、数日間、アグリフと魔剣が消えた期間があるためである。 彼らが工房からいなくなったのはみんなが眠りについた遅い時間であったし、数日後、彼が憔悴し、みすぼらしい姿で亡くなっていた状態で発見されるまでの間の行動は誰も知らない。それが単なる事故死なのか、何者かによる殺害なのかすらも明らかにはされなかった。ただし、発見当時、魔剣はきれいな状態でアグリフのそばに落ちていたという。 この事件で最も怪しい点は、ある採集家が暗い森の中で「消えろ!」と絶叫するかのように叫んだアグリフの声を聞いたと証言している点だ。人びとは第三者の存在を確認するために森を探し回ったが、これといった収穫はなかった。 3. 魔剣の材料について 魔剣の材料は何なのかということについても様々な噂がある。 その中でも最も興味深いのは、魔剣の材料にジケル神の髪の毛とトリニエル神の爪が混ざっているという説だ。 一部の人は知っているとおり、神の力は無限大であり奥深いため、その影や息吹であっても生命を生き返らせることや絶やすことができる力を持つという。 このことからも、神の髪の毛と爪を混ぜ入れて魔力を持たせたという主張もまったくのデタラメではないようだ。 だが、これに関して2人の神は、否定も肯定もせずに黙っているだけだ。 4. 魔剣のとりこになったシューゴがいたという噂について 信じがたい話だが、これは事実である。彼の名はスミルン。ブラック クラウド貿易団所属のシューゴで、私が直接会って聞いた話はこうだった。 彼は、エレシュランタで偶然狂気にとりつかれて走るディーヴァを見かけたのだが、とっさに隠れてじっと様子を見守っていたという。見る目の鋭いシューゴはディーヴァの持っていた剣が噂に聞く魔剣であることに気づき、なぜかそれを盗みたいという気を起こした。 ディーヴァが疲れて眠っている間に魔剣を盗み出しだスミルンは、当初ただそれを高く売り払うつもりだったという。 だが、剣を袋に入れてかつぎ、歩いている間に誰かが自分にささやく声が聞こえ、だんだん魔剣を所有したいという気持ちにとりつかれた。 とうとうスミルンは仕事をすべて投げ出し、遠くモルヘイムのムスフェル火山の近くにある洞窟に隠れた。 そこにどれほど隠れていたのかは覚えていないが、スミルンが洞窟の外に出たときはすっかり毛も抜け落ち、目も落ちくぼんで精気を失っていたという。 スミルンは魔剣をつかんで離そうとせず、剣に関心を見せる人びとを威嚇した。幸い、スミルンには剣の心得がなかったので大きな被害は出なかったが。 気の荒いシューゴが剣を持って人びとを脅かしているという情報は、やがてエレシュランタで活動しているイタルの耳にも届いた。 偶然にも、彼の名をわれわれはよく知っている。そう、ずばり彼こそが魔剣最後の持ち主であるアルコンなのだ。 5. 魔剣の最後の持ち主について よく知られているとおり、魔剣の主は誰もが悲惨な最期を迎えたり、大きな災いに巻き込まれそうになっている。 そのために魔剣を敬遠する人が1人2人と増えていったが、その一方では魔剣を手に入れて世界を支配してみたいと思う人もまだ多くいた。 魔剣の最後の持ち主、イタルもその中の1人だった。 彼は長い間魔剣の所在を追跡したが、やがてムスフェル火山の近くに伝わる怪しい情報に目をつけた。 イタルはすぐにムスフェル火山の近くに潜伏し、数日後、スミルンに会うことができた。 彼が魔剣を奪うときに使ったのは、なんとシューゴ草だった。荒っぽく騒いでいたスミルンは、鼻の前でシューゴ草を揺らされるとすぐに何も言わず魔剣を手渡してくれたそうだ。 シューゴ草にかぶりつくスミルンを残して彼はエレシュランタに戻った。その後の話は、みんながよく知っているとおりだ。 イタルは狂気に振り回されまいと緻密に対策を立てていたが、あまり効果はなかった。残念なことに彼は、エレシュランタで名を馳せると同時にその名を汚すこととなった。 神は暴れるイタルを眠らせ、魔剣を8つに割ってエレシュランタに封印した。 こうしてアグリフ イーヴィル ブレイドは歴史の中へ消え去ったのだ。 |