敗北者の墓は、龍族も天族も欲しがらない土地です。

すでにドラナ成長器に気を吸われて、やせた土地になってしまいましたから。

生命体が住むに適していないことはいいとしても、使える資源が残っていないんです。

しかもかつての大戦闘の後遺症で大地が破壊されて、気持ちの悪いエネルギーで満ち溢れています。

しかし、研究者にとってこれ以上興味深い地域はありません。

敗北者の墓でできる研究はこの上なく多彩です。

ドラナの吸収と環境の変化に龍族の歴史、龍の骨格構造の研究などなど……その気になれば、論文10本ぐらいは余裕で書けると思います。
しかし、あそこにいる凶暴な生命体のせいで、まともな調査ができないでいます。

戦闘に自信がないわけではありませんが、どこへ行っても兄がついてこようとするので煩わしくて。

世話焼きの兄のせいで、どのみちまともに調査できないならこれまでと同じことになってしまいます。

そこで、プレーヤーさんにこの仕事を手伝ってもらいたいんですが、いいでしょうか？

引き受けてもらえるとありがたいんですが。
ありがとう！

いちばん厄介なやつらはハイランド バーク、ポルート ソーン ディオナエ、ゴールデン アイ スコロペンです。

やつらの数が減ったという話を聞けば、兄も安心するでしょう。

プレーヤーさんは強い方ですから、余計な心配はしないことにします。

では、いっていらっしゃい。
兄と違って、僕は1つの分野にばかり没頭することはありません。

地理学、生態学、歴史学など分野は多くても、学門は結局1つにつながんですから。

すべてを究めれば、パンデモニウムの大学者と同じ境地に到達できるでしょう。

今の苦労が未来への布石になると思います。

それで、私が頼んだ仕事はしてくださったんですよね？
本当にありがとうございます！

厄介な動物の数が相当減ったはずです。

これくらいで兄が納得するとは思いませんが、説得はできるでしょう。

敗北者の墓の研究がうまくいったら、プレーヤーさんのおかげです。