団長にディーヴァ様がザイフを倒してくださったと報告すると、今夜掃討作戦を開始するのに余計なことをしてと言われました。

直前まで何も言わずに見ておきながら今になってそんなことを言い出すなんて、本当にどういうつもりなのかわかりません！

まあ、仕方ありませんけどね。命令ですから従うまでです。
それにしても、グラマティ婆ちゃんの頼みを今日聞いてあげようと思っていたのに、いきなりこうして狩りに出ることになってしまったもんですから……。


難しいことじゃないんですが、婆ちゃんから服を作るのに必要な材料を集めてほしいと言われているんです。

スプリガンの背皮が少し必要なんですが、ディーヴァ様が代わりに集めてくださいませんか。
ありがとうございます。スプリガンの背皮を10個集めてグラマティ婆ちゃんに届けてください。

絶対にスプリガン ギャングの背皮でないといけないんだそうです。

では、私はディーヴァ様を信じて作戦に出る準備に取りかかります。
ディーヴァ様を見ると父のことを思い出します。

私の父もディーヴァなんですよ。パンデモニウムにいます。

私のこともディーヴァに覚醒させようとずいぶんと努力していたのですが、こうして老いてしまってはね……。
(目じりを拭いながら)ディーヴァ様の前で余計なことを口走ってしまいましたね。

それにしても、ラウクスはスプリガンの背皮を集めて持ってきてくれると大口を叩いておきながら、どうしてまだ何の音沙汰もないんでしょうね。

スプリガンの背皮は薄い上に保温性が良いから、鎧の中に着るのにぴったりなんです。

ひとつ作って父にあげようと思ったのだけど、こんなに遅くなるなんて。誰でもいいからスプリガンの背皮を持ってきてくれたら、お礼をしたいくらいですよ……。
(目じりを拭いながら)おや、これはスプリガンの背皮じゃないですか！

ラウクスったら、忙しいだろうに私の頼みを忘れているようなフリして粋な子だね。

スプリガンの背皮を持ってきてくれたディーヴァ様は、ラウクス以上に感謝すべきお方ですね。

このくらいあれば、父の服を作るのには十分です。

さあ、受け取ってくだされ。少ないですが私の気持ちです。