もしかしてイラルシグ村にいる植物のディーヴァ、ヴァリをご存知ですか？

珍しいほど献身的なディーヴァです。まだ未熟なところも多々ありますけどね。

先日、彼のお世話になったんです……お礼はいいから、トリピード栽培に役立つ方法がわかったら、それを教えてくれと言っていました。

結界塔を守る見張兵の私に、農作業のことがわかるはずないでしょう？

期待せずに言っただけかもしれませんが、恩を返さないと眠れなくなる性格なんです。それで私なりに数日間じっくり考えてみました。
ネプラ枯れ葉道が古代アトレイア時代の姿を多く残していることをご存知でしょうか。

昔ほどではありませんが、大地の力が強くて精霊も多く、動植物が住みやすい場所です。

特に、ネプラ枯れ葉道に住んでいるスパーキーとカルクゲルムは、遠い昔……天界と魔界が1つだった頃から生きていた種です。

大崩壊を経て数多くの生命体が変異を起こしましたが、ダブル ウイング スパーキーとジュエル カルクゲルムだけは、昔の姿のままだといわれています。

スパーキーとカルクケルムのしぶとい生命力の謎を解けば、トリピード栽培にも役に立つのではないでしょうか？
ヴァリが、モルヘイム各所の植物と動物の標本を収集するのを見たことがあります。農作業の研究に必要だと話していました。

最近は忙しくてイラルシグ村の中に閉じこもっているようですけど。

ネプラ枯れ葉道にいるダブル ウイング スパーキーとジュエル カルクゲルムの標本を採取してヴァリに届けてくださいませんか？

トリピードの栽培に、いかなる形であれ役に立つはずです。
ダブル ウイング スパーキーとジュエル カルクゲルムは、結界塔の下のほうのネプラ枯れ葉道にあります。

彼らを倒して標本を採取し、それをイラルシグ村にいるヴァリに届けてくださればいいのです。

あまりにも個人的な頼みごとをしてしまったようで恐縮です。

わずらわしいことだと思われるのでしたら、断っていただいてもかまいません。私が何としてでも暇を作って届けますから。
人の役に立ちたくて研究室を離れ、イラルシグ村までやって来ましたが、今まで感じたのは私の未熟さばかりです。

本が教えてくれることはほとんど、理論にすぎない。実際に応用しようとすれば、壁にぶつかってばかりです。

やはり自分の手で土をいじり、数多くの試行錯誤を経てこそ、目に見える結果が得られるのでしょうね。

それで最近は勉強したり、畑で自ら実験をしたりと、とても忙しいんです。
結界塔のアングルボダ様が、私の世話になったとおっしゃったのですか？

そんなことありましたっけ？よく思い出せないということは、たいした事じゃなかったんでしょうね。

ハハハ、お礼はいいから、気にしないでくださいとお伝えください。
これはスパーキーとカルクケルムの標本ではありませんか？

アングルボダ様に頼まれたんですか？そんなたいした事じゃなかったのに、ここまで考えてくださるなんて……。

ぶっきらぼうな方に見えたのですが、実は思慮深い方なんですね。こんなに親切な方々から手伝ってもらえるなんて、イラルシグ村に来て本当によかったです。

標本は使わせていただきます。とても研究に役立つと思います。