われらの同族は敵対的な同族を避けて天のうろこ谷から遠いここ化石の渓谷まで来た。

しかし、ここだからといってとても安全なわけではない。

すぐ隣の龍の渓谷には死んだ怪獣の心臓を崇拝するドラク族がいる。

やつらはわれらアグウッドを仲間とは思っていない。獲物としてしか考えてないだろう。
やつらが仕えているドラク族の心臓を破壊してくれ。

伝わってきている話では遠い昔に死んだ巨大な生命体だそうだ。

それは生きてもなく、かと言って死んでもない心臓らしい。

まるで岩のように見えるが、近くに行くと心臓の鼓動の音が聞こえる。

その心臓を始末し、なくしてしまうことができるならば、確実にドラク族も龍の渓谷から離れていくだろう。

心臓を完全に始末する方法は、強力なメルコールの毒を塗ることだ。

いかなる生きているものも……その毒が心臓に入り込んだ時に、生き残ることはできない。

メルコオルの毒を手に入れてドラク族の心臓に塗ってくれ。
(心臓の形に見覚えがある)

(これは明らかにドラゴンの心臓だ)

(アグウッドの言葉どおり、まだ死んでいないようだ)
よくやり遂げたな。

しかし、ドラクが仕えていた心臓がドラゴンのものであったということが気にかかるな。

この土地は昔どのような姿だったのか、話だけ聞いていては想像ができないものだな。