最近1人の訓練生から第3テンペル訓練所で天族の幻影を見たという情報と共に、この砕けた記章を貰い受けた。

(砕けた記章を見せて)この記章に刻まれた紋章は間違いなく天族のものだ。だが、そんなはずはない。闘技場に出てくる天族は実体のない幻影なのだから。

魔族だけがプレーヤーのような訓練生で、天族はイングネスが創り上げた幻影なのだ。

幻影なら、こんなものを持っているはずがない。

時間のディーヴァイングネスに、これを見せてみるのがよさそうだな。プレーヤー、君にその任を頼もう。

ヒラ……ウ……バナン……。

(辛そうな表情で閉じた目を開けながら)どういったご用件で？

急ぎではなければ次の機会に……いらしてください。

今は少し、疲れているので……。
(記章を見て眉をひそめ)

ジニン戦闘教官がおっしゃったように、第3テンペル訓練所で相手にする天族は私が創り上げた幻影です。

表向きは……ですが。

(顔を上げて見つめると)それについては、これ以上お伝えすることはありません。

そんなに気になるようなら、キージャン訓練所長に会ってください。
マルクタン テンペル訓練所が開放されたかどうかを聞きたいのか。

開放されてからかなり経つというのに、今さらそんなことを聞きに来たのか？

行政官からディーヴァ全員に手紙でも送ってもらわなければだな。そんなことで来られては、いちいち面倒で仕方ない。
(視線が冷たくなったかと思うといきなり怒り出して)神聖なマルクタン神殿にこのような不吉なものを持ってくるとは不届き者め！

(記章を叩きつけるように渡すと)こんなものは今すぐに捨ててしまえ。

私の目の前で今すぐに。
君もしつこいな。ここまで訪ねてきた誠意に免じて教えてやろう。

そうだ。第3テンペル訓練所で会った天族は幻影などではない。本物の天族だ。

訓練中に、天族の訓練所とつながる亀裂を見つけたのだ。それを実戦の訓練に使うことにしたというわけだ。

私が君にできる話はこれがすべてだ。だから、もう帰ってもらえないか。おっと、もちろんこの話は秘密にしてくれるだろうな？

まぁ、すでに証拠は消えたのだから、誰かに話したところで信じてはくれないだろうがな。