ブルストホーニンが龍族に襲われたとき、多くのエリムも一緒に消えてしまったの。

でも、この土地のどこかでまだ生きているエリムがいるってことも知っていた。

彼らは毒気に汚染されて死んでいった。

私にも多くのエリムの悲鳴が聞こえたわ。バルタザール様を通じて感じられたんだ。
でも、エリムが汚染されていくって知っていながらも、助けることができなかった。

私はバルタザール様のそばを離れることができなかったから。

エリムの悲鳴がだんだん小さくなって……今は不気味な叫び声が聞こえてくる。

もうエリムの声じゃない。彼らは根っこまで汚染されて、アグリントやロットロンになってしまったの。
大切な子供がモンスターになってしまって、バルタザール様は悲しまれたわ。

汚染された子供は、生まれた土地に帰さなければならないと、ささやいた。

バルタザール様の願いは私の願いと同じよ。

あなたならバルタザール様の願いを聞いてくれる？あなたなら私の願いを聞いてくれそうな気がする。
ロットン ブランチ アグリントとウェット ブランチ ロットロンになったエリムは、マガロ原始林にいるの。

彼らの汚染された枝を持ってきてほしい。

私が汚染された枝を火で浄化して灰になったら、大地に撒くから。

汚染されたエリムは再び大地に戻れるはずよ。
ここにいる間、ヘインツが色々教えてくれたの。

はるか遠く他の島には、暗い森に囲まれた美しい魔族の都市があるって。

いつか、一度は行ってみたいけど……でも、私にはバルタザール様がもっと大事なの。

頼んだアグリントの汚染された枝とロットロンの汚染された枝は持ってきてくれた？
そんな、ディーヴァ！もうちょっと急いで。

ロットン ブランチ アグリントとウェット ブランチ ロットロンの叫びがバルタザール様の心を苦しめている。

マガロ原始林から聞こえてくる。

アグリントとロットロンはそこにいる。
汚染された枝を燃やして毒気をなくしたあと、灰を大地に撒く。

大地に帰ったエリムは、完全に死んだのではない。灰がまかれた大地から新しい芽が出るはずだから。

私の願いを聞いてくれて、ありがとう。あなたは親切な人みたいね。

親切な人はヘインツだけだと思ってたのに……あなたにプレゼントをあげる。

それから……時間があるときは、私に話してくれない？大都市や他の魔族の話を。