ID: 730087
占星学の学派
icon NPC
レベル: 1
HP: 63
攻撃半径: 0m

Dialogs:

占星学の始祖は、偉大な予言者カルリルだったといえよう。彼は沈黙の誓約をし、アイオンの力で未来を覗き見た。

そして自らが見たものを絵に描いた預言書を残したのだ。それは全部で30枚からなり、一番後ろに1枚の白紙がついていた。

預言書が完成されてから間もなく大崩壊が起き、その渦中でカルリルも生死の境を彷徨った。カルリルの死以降、弟子たちはマスターの残した預言書の解読に没頭することとなった。

しかしその預言書の内容を知りたがっているのは弟子たちだけではなかった。そういうわけで、数多くの模写本が出回るようになる。

模写本が広まる過程で、大きな混乱が起きた。間違えて写したものが本物のごとく出回り、何者かが書いた解説書が権威を得たりした。

面白半分に内容を変えたものと、政治的な目的や利権のために偽造した預言書も現われた。

しかし、そのすべての預言書に共通していたのは最後に1枚の白紙がついているということであり、徐々にその白紙についての話が広まるようになった。

それは、30枚の絵を完全に解釈すれば31番目の絵が現われるという説だった。そしてその最後の絵は、13番目の神に関するものだというのがもっぱらのうわさとなった。

ニセの模写本が出回っていたため、占星術のディーヴァたちはまず、本物を判別できる能力を備えなければならなかった。

預言書の真贋と解読に関する研究は徐々に体系を持つ学問へと発展し、カルリルの教えを受けた弟子たちを中心に学派が形成された。

あらゆる学説が提議され、学説と利害関係により数多くの学派が集まっては離れてを繰り返した。

長い年月を経る間、多くの学派が歴史のかなたへと消えていく中で3つの学派が残り、大きな勢力を得たり人々の注目を集めたりするようになった。

1つ目の学派はピルミクス学派といい、カルリルの最初の弟子だったピルミクスに従った人びとが立てた学派である。

ピルミクス学派の特徴は、政治と密接な関係を持っていたということである。彼らはパンデモニウム指導層の好む予言と解釈を打ち出し、それを土台としてパンデモニウムの惜しみない支援を引き出すことができた。

ピルミクス学派は、そうやって得た権威をとても上手く利用した。しかも、彼らは予言を現実にする実質的な力までも持っていた。

厚いローブはピルミクス学派の象徴で、彼らはカルリルの賢者と褒め称えられた。

カルリルの別の弟子だったプロミテレの名を看板に掲げたプロミテレ学派もまた、多くの人々に認められた。

彼らは政治権力とは距離を置き、預言書の解釈と研究に重きを置いた。そして、民間に現われる予言の動向を把握することも彼らの主な研究テーマだった。

ピルミクス学派に比べ、比較的自由な学風だったため様々な方面の研究をしたが、プロミテレ学派の主義は1つであった。

占星学は人間の幸福と平安のために奉仕すべきだということである。天災地変や個人の吉凶禍福を予言する学者が多かったのもそのような主義の表れだった。

この2つの学派は様々な面において違う姿が見られたが、ある1点においては共通の態度を取っていた。それは、預言書の31番目の絵については徹底して言及を避けたという点である。

パンデモニウムの指導層が13番目の神に関連した予言に神経を尖らせていることを熟知していたため、ピルミクス学派はそれについてまったく言及しなかった。

プロミテレ学派は、それとはまったく違う理由だった。カルリルが31番目の絵について自ら言及したことがなかったため、そのような絵はそもそも存在しないという立場だった。

だが、公式の席で31番目の絵についての言及をしたのは、意外にもピルミクス学派の学者だった。

ムニンはピルミクス学派の中でも将来を嘱望される学者だった。優れた直観力と預言書の斬新な解釈で学界に突風を巻き起こしていた。

しかし、彼の師匠は危険な発言をいとわない弟子にのことを常に懸念していた。

パンデモニウムで占星学会の発表があった日、ムニンは数多くの学者と大衆の前で、預言書の31番目の絵が13番目の神に関するものだと堂々と語る。

13番目の神が現われ、パンデモニウムが完全に破壊されることが予言の内容だと説いたのだ。客席はざわめき始めた。

やがて、ムニンは未来は固定しているわけではなく、ディーヴァと人間の力で変えられるものだとも話した。絶え間ない努力を続ければ、望む方向へと未来を導けると。

そして、占星学者たちが予言をしない理由が、まさに未来を変えるためだと主張した。

ムニンの発言がもらたした波紋は、とても大きかった。運命は五柱神の意思であるというパンデモニウムの立場に真っ向から矛盾することであったからだ。

ピルミクス学派はすぐさまムニンを除籍させ、ムニンはパンデモニウムの秩序を乱したという罪名で裁判にかけられる。

裁判の結果、ムニンは力を封印するクリスタル牢獄に閉じ込められ、イスハルゲン収容所に生涯幽閉されるという刑罰を受けた。

最後に紹介するのは白金の女神学派である。事実上、白金の女神というより物乞い教団という名で広く知られている。

白金の女神学派を立てたのはエウィンという学者で、数百年にわたり預言書の31番目の章を研究することに没頭した人だった。

ある日、エウィンはいきなり剃髪をし、ボロを身にまとって現われ、30枚の預言書をすべて解読し31番目の章を見たと主張した。

31番目の予言の内容は、13番目の主神が現われ現在の世界を滅ぼし、完璧な新世界を創造することだと話したのだった。

終末論に近いエウィンの学説は意外にも多くの支持を勝ち得た。大崩壊以降、厳しく変わった環境と長きにわたるライカンとの戦争に疲れた人間たちは、白金の女神が現われ自分たちを救ってくれることを願った。

彼らは滅ぶのはパンデモニウムの豊かな者たちで、自分たちのように貧しくはみ出した人間こそが新しい世界を享受できるようになると信じた。

彼らの主張をレパル団と似ていると思う学者たちもいるが、清貧と精神の修養を重んじるという点において違っている。

白金の女神の追従者たちは、裸足でボロを身にまとい、食べ物を乞って渡り歩いたため、物乞い教団と呼ばれるようになった。



Login to edit data on this page.
BBCode
HTML

天族
魔族