ID: 748009 | |
3人の賢者の歌 | |
NPC
レベル: 1 HP: 63 攻撃半径: 0m | |
Dialogs: 3人の賢者の歌 これは大崩壊の渦中で龍の土地に取り残された人間を導いた3人の賢者に関する歌である。 われわれ生き残った者は、3人の賢者に頼りながら絶望に満ちた暗黒の時間を耐えしのぐことができた。 しかし、時間が経つにつれてわれわれの精神は退化し、体は変化していった。 私、ガライスは心苦しい気持ちでここに記録する。 われわれの孤独な戦いが記憶されることを望みながら…… 3人の賢者の名前はハギア、アラン、ラニウである。 ハギアは糸をつむぐ女、アランはクルースを飼っていた牧童、ラニウは博識な人だった。 空が割れた日、彼らは糸1束、角笛1本、本1冊を手に携えてここに落ちてきた。 一緒に落ちてきた人たちは、絶望と恐怖に打ち負かされ、希望などまったく見えていなかった。 心弱い人びとは自ら絶壁より身を投げ、やみくもに飛び出していった人びとは龍族に見つかって命を落とした。 残された者はうずくまって何もしなかった。 その時、糸をつむぐ女、ハギアがこう言った。 「木の皮をつなげば、寒さに耐える布団が作れますよ」 「ふかふかのリノンの綿ほどではないですが」 それを聞いたクルース飼いの牧童、アランも話しだした。 「私は怖い獣を飼いならす方法を知っています」 「それに、さっき獣の声も聞こえました」 「本で読んだことがあるのだが、ここは龍族の地のようだ」 「人間は遠い昔から龍族に対抗しながら生きてきた。ここでだって、生きられない理由はない……」 博識なラニウが低い声でささやいた。 すると、1人2人と立ち上がり、自分のやるべきことを始めた。 母親は駄々をこねる子どもをなだめた。 経験豊かな老人は、食べられる草と食べてはいけない草を判別した。 勇敢な青年は周囲を見渡し、飲み水を泉から桶いっぱいに汲んできた。 人びとは集まって今後のことについて議論を始めた。 ハギアは女たちと力を合わせて木の皮をつなぎ、残った木の皮をつぶして糸をつむぐことにした。 アランは大きくなって自分の身の回りのことができる子どもと一緒に角笛を使って獣を集め、飼いならすことにした。 ラニウは何人かの青年をつれて歩き始めた。 人びとが定着できる安全な場所を探し求めて。 数日後、ラニウが戻ってきたとき、人びとは彼に続いて森の奥へと移動した。 足音1つ聞こえず、泣く子は1人もいなかった。 龍族の目を避けて定着した人びとは村に名前を付けることにした。 それぞれ恋しい故郷の村の名前を思い出していたが、誰1人として口にはしなかった。 誰かが「3人の賢者の村」はどうだろうと言い、みんなで快く同意しただけだった。 3人の賢者の村はこうして生まれた。 ハギア、アラン、ラニウは3人の賢者と呼ばれるようになった。 当初、ハギア、アラン、ラニウは賢者と呼ばれることについて丁重に断った。 しかし、人生の理を悟った人であれば誰もが賢者であり、素朴な真理こそ人生を創るもの。 3人の賢者は希望を失った人びとに勇気と知恵とを悟らせたのだ。 そして人びとは話し合い、自らルールを作った。 食べるものと寝床を用意し、子どもたちにはアトレイアの歌を教えた。 そうやって暮らしは続き、心は安らぎを取り戻した。 だが、試練はこれだけでは終わらなかった。 龍は結界の外、自分たちの土地に隠れて暮らす人びとの存在に気がついたのだ。 遠くから龍の吠える声が聞こえてきた。 空が暗くなると、巨大な音とともに地面が割れた。 森に地下洞窟、絶壁の先のくぼみに至るまで、龍たちはどんな場所も見逃さなかった。 森には炎が巻き起こり、地下洞窟の入口には大きな岩が落ちてきた。 絶壁に立たされた人びとは後ずさりして落ちてしまった。 3人の賢者の村で何人かは泉に水を汲みに行って殺され、何人かは見張りをしていて捕まった。 生きて戻ってきた人は村に悪い病気をうつした。 人びとは1人、2人とおかしくなり始めた。 神を冒涜し、龍に仕えた。 ラニウは目線が定まらなくなり、アランは戻って来なかった。 ハギアだけが生き残り、子どもたちを連れて暗い夜に逃げた。 ハギアが逃げる前、私にこう言った。 私、ガライスはハギアの志に基づき、3人の賢者の村で起きた孤独な戦いを書き残す。 われわれはみんな、アトレイアから来た。 一時期は3人の賢者の村を作った。 しかし、恋しい故郷の村と親、兄弟の顔を忘れる前におかしくなり始めた。 これがアイオンの意志であれば残酷な運命であり、アイオンの意志ではないのであれば、われわれを思い出す日がやってくるだろう。 |