ID: 748012
エイストラとまぬけなハイムダル
icon NPC
レベル: 1
HP: 63
攻撃半径: 0m

Dialogs:

むかしばなし集



第2巻 エイストラとまぬけなハイムダル



(筒のような形の罠にかかったエローコ1匹/もしくは物乞いの服装をした男が目の見えない女にスープを飲ませている様子)

昔むかし、アトレイアの町外れの小さな村にまぬけなハイムダルが暮らしていました。

ハイムダルは目の見えないお母さんと2人で暮らしていましたが、家はひどく貧乏でした。

何の才能もないハイムダルは、草を摘み、物乞いをしながらどうにか暮らしていました。

運良くエローコが罠にかかった日は、お肉のスープを作って宴会を開きました。

高貴な神官の娘であるエイストラはひどい泣き虫でした。

お風呂に入る時間になるとワンワン泣き出し、お風呂が終わるとまた泣くのでした。

毎日のように泣き続けるので、両親はもちろん召使いも頭を抱えて悩みました。

娘をなだめるのに疲れたお父さんは、ずっと泣いてるとまぬけなハイムダルのお嫁さんにするぞと言いました。

そうすると不思議なことに、ぴたっと泣きやむのでした。

(きれいに脱がされたパーティードレスと、その上に残された手紙を1通描いてください)

エイストラが19歳になると両親は盛大な宴会を開き、新郎候補を招待しました。

青年たちの熱い求愛にエイストラは礼儀正しく笑ってあげましたが、後ろを振り返ってはつまらなそうな顔であくびをしていたそうです。

そして、何日も続く宴会が終わりもしないうちに彼女はこっそりと家を出ました。

自分で夫を見つけるという1枚の手紙を残して。

エイストラはハイムダルが住む古い小屋に行きました。そして、ハイムダルに結婚してほしいと言いました。

ハイムダルのお母さんは高貴な血筋のディーヴァがお嫁にくることを負担に感じましたが、息子があまりにも喜んでいるため反対できませんでした。

結婚誓約書のインクが乾ききらないうちから、エイストラはハイムダルを覚醒させるために様々なことを始めました。

まるで長い間準備してきたかのように、すべてのことを着実に進めていきました。

身に付けていた宝石をすべて売ったお金でオードの結晶体を買い、家に置きました。

そして、ハイムダルとあちこちを歩き回りました。他の人がディーヴァとして覚醒したという場所をすべて。



あるとき、こんなことがありました。

草を摘んでいたハイムダルの近くにわざと猛獣を放ち、ハイムダルを危険にさらしたというのです。危険な状況に陥ったときに覚醒する確率が高いという噂があったからです。

びっくりしたハイムダルはあっちこっちへ逃げ回りました。しかし、覚醒どころか猛獣に噛みつかれ、着ていた薄汚い服まで全部破れてしまいました。

隠れてハイムダルのやることを見ていたエイストラは、大きなため息をつきました。

がっかりした彼女は、ハイムダルが草を摘んでいたかごを抱えて家に帰りました。

その後、エイストラは何もかも諦めたかのように見えました。

しかし数日後、エイストラはオデラーを煎じたお茶を飲ませ始めました。

苦労して手に入れたオデラーを丁寧に煎じ、毎日寝る前にハイムダルに飲ませました。

それはあまりにも苦かったため、かなり鈍感なハイムダルでさえ、なかなか飲むことができませんでした。

しかし、それはオデラーだけを煎じたものではなかったのです。

聞けばみんなが顔をしかめる、あれの体液も入っていたのだそうです。もちろんハイムダルには内緒で。



このひたむきさが天を感動させたのでしょうか。とうとうハイムダルは覚醒しました。

しかし、あまりにも才能のないハイムダルですから、エイストラの厳しい訓練がなければ、彼は本当に名ばかりのただのディーヴァのままだったことでしょう。

奥さんの献身的な支えのおかげで、ハイムダルはディーヴァとして名が知られるようになりました。

この知らせは、遠い地にいるエイストラのお父さんの耳にも入りました。

ようやく両親はハイムダルを正式な婿として認め、娘と一緒に家に迎え入れたそうです。

それからエイストラとハイムダルはどうなったのでしょうか。

ハイムダルはアビスに派遣された初期レギオンの軍団長でした。残念なことに、彼はアビス探査の途中で消滅してしまいました。

消滅の知らせ聞いて寝込んでしまったエイストラでしたが、数日後に「すべてはアイオンの意志」と言って起き上がったそうです。

それから彼女がどうなったのか、それは誰も知りません。エイストラが故郷から姿を消したということしかわかっていません。

もしかすると……どこかでまた別のまぬけを訓練しているのかもしれません。



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