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アトレイアに伝わる童話集 9 | |
NPC
レベル: 1 HP: 63 攻撃半径: 0m | |
Dialogs: アトレイアに伝わる童話集 第9巻 黄金の卵を産むフィビヨン 昔むかし、モルヘイムの離れた村にある青年が暮らしていました。 青年は毎日がんばって働きましたがいつも貧乏でした。 青年はある人の農場で働いていましたが、農場主がほんのちょっぴりの賃金しかくれなかったからです。 そのお金で青年は1日の生活をしなければなりませんでした。 青年は1日だけでもおなかいっぱい食べるのが夢でした。 ある日、青年のみすぼらしい小屋にフィビヨンが1匹訪ねてきました。 青年はフィビヨンが休めるように庭にわらを敷いてあげました。 次の日の朝、フィビヨンにあげるえさを持って庭へ出た青年はびっくりしてしまいました。 フィビヨンがなんと黄金の卵を産んだのです。 ただの黄金色の卵ではなく全体が純金の卵でした。 その次の日の朝も、くる日もくる日も、フィビヨンは黄金の卵を産みました。 青年は毎日黄金の卵を手に入れたのです。 市場が開かれる日、青年が黄金の卵を持っていくと人びとは争って黄金の卵を買おうとしました。 青年は黄金の卵を売ったお金で毎日おなかいっぱい食べ、服も買えるようになりました。 たったひと口でいいから食べたいと願っていたキャンサリード蒸しとリュクロック ステーキもいっぱい食べました。 おなかがいっぱいになって体も温まると、青年には別の欲が出てきました。 以前から心ひかれていた村のきれいな娘さんと結婚したかったのです。 しかし、娘さんと結婚するためには多くのギーナが必要でした。 きれいな娘さんは貧乏な青年が好きではなかったからです。 青年には、小屋ではなく大きな煉瓦の家と、娘さんにプレゼントするための宝石がついたきれいな服が必要でした。 1日1個の黄金の卵では足りなかったのです。 青年はフィビヨンにえさをたくさんあげながら頼んでみました。 「1か月分の卵を産んでくれないかい?」 しかし、フィビヨンは首をかしげてグァ、グァと鳴くばかりでした。 哀願し、急き立ててもみました。 それでも、フィビヨンは1日にたった1つの卵を産むだけでした。 どんどん欲の出てきた青年は焦りだしました。 悩んでいた青年は、いいことを思いついたのです。 「黄金の卵を産むフィビヨンのお腹にはものすごい黄金があるはずだ!」 青年は刃物でフィビヨンの腹を切りさきました。 しかし腹の中は空っぽでした。 「そんな!」 青年は後悔しましたが無駄でした。フィビヨンはもう死んでしまったのですから。 |