ID: 748018 | |
成功した裏切り者 | |
NPC
レベル: 1 HP: 63 攻撃半径: 0m | |
Dialogs: 成功した裏切り者 ―ティアマト龍帝物語― はるか昔のことなので多くの者は知らないが、ティアマトは最初から龍帝だったのではない。 最初の五龍帝はフレギオン、ミスランテイダ、エレスギガル、ベリトラ、そしてアプスだった。 アプスは、ティアマトとは様々な面で異なる存在だった。 ティアマトは血と怒りの殺りくを重ねる暴君であったが、アプスは戦略や戦術に長けた戦略家だった。そして包容力があったため、龍族たちは続々とアプスのもとに集まった。 ディーヴァや神との戦いで発揮したすばらしい戦略や大勢の龍族による支持のおかげで、アプスは5番目の龍帝になった。 5番目の龍帝が現れた後、フレギオンはこれ以上の龍帝は存在しないと宣言した。アプスは5番目であると同時に、最後の龍帝になったのだ。 後に覚醒はしたが、ティアマトには最初から龍帝になる機会など与えられなかった。 卓越した能力と壮大な野望の持ち主ではあったが、龍帝はこれ以上存在しないというフレギオンの宣言があったためだ。 覚醒後、しばらく1人で過ごしていたティアマトは、ついにアプスの手下になった。 ティアマトが初めから龍帝の地位を狙ってアプスの手下になったのかどうか、それは明らかになっていない。 しかし、ティアマトがすばらしい実力を発揮したことでアプスから信頼され、ついに彼の右腕になったのは事実だった。 当時のティアマトは、すぐに激怒したり殺りくを楽しんだりするような姿は見せなかった。自分の目的のために自分の本性を押し隠し、計画どおりに行動したのだ。 アプスの軍団に入ったティアマトは、切込みの任務を遂行する小軍団の軍団長になった。 戦闘でティアマトはアプスの戦略をきちんと履行し、参戦したすべての戦闘で勝ち抜いた。 後にティアマトは、より大きな軍団を率いることになり、幾度の勝利を遂げた。そして、ついにアプス ガード レギオンに入ったのだ。 当初、ティアマトはアプス ガード レギオンで実力を発揮することはできなかった。 しかし今になって思えば、ティアマトはアプス ガード レギオンで能力を発揮できなかったというより、情勢を見極めながら味方を集めていたのだ。 自分に力を貸してくれる者たちを集めた後、ティアマトは再び例の実力を発揮し、ついにアプスの護衛隊長となった。 護衛隊長となってアプスの信頼を得たティアマトは、彼を殺害した。 どういう手を使って殺害したのかということについては諸説あるが、眠っているアプスの首に魔力の宿った刀を刺したという説が有力だ。 そして、アプスの胸を引き裂いて心臓を取り出し、千年間消えない火山の噴火口に投げたという噂も伝わっている。 他にも、自分の味方に引き入れた守護軍の仲間たちとアプスを同時に攻撃して退治したという説もある。 このような話の共通点は、ティアマトのことを信じて休んでいたアプスに、背後から不意に襲いかかったということだ。 アプスを殺害した後、ティアマトはその事実を隠したまま、アプス ガード レギオンをはじめ各軍団の軍団長を一堂に集めた。 そして、アプスが死んだということや、自分が新しい龍帝になるということを宣言した。 当然、数多くの反発があった。しかし、ティアマトと彼女の手下たちは彼らを一気に制圧した。 激しく反発する者たちをその場で殺してしまったのだ。 あっという間に起きた出来事に、多くの者が混乱した。だが、ティアマトの支持者たちがティアマトを龍帝に迎えようと扇動すると、空気は徐々に変わりはじめた。 状況をすばやく察した者たちは直ちに彼女たちに同調し、ティアマトのことが気に入らなかった者たちはすでに大勢が傾いたことを受け止めるしかなかった。 アプスの軍勢を自分の手におさめたティアマトは、それまでの経緯を他の龍帝たちに報告した。 当然、大きな反発が起きた。とりわけ、冷酷な審判者であり、秩序の監督者であるエレスギガルは激怒した。仕えていた龍帝を暗殺して自分が龍帝になるということなど、あってはならないことであり絶対に容認できないと言ったのだ。 彼の話の影響力はエレスギガルの領土だけでなく他の場所にまで波及し、各地でティアマトを処断するための動きが出始めた。 だが、このような反発も、ティアマトを5番目の龍帝として認めるというフレギオンの宣言によって力を失った。 強い反発があったにも関わらず、なぜフレギオンがティアマトを龍帝として認めたのか、その理由は明らかになっていない。しかし、神々との戦争が激しさを増す一方だったので、内紛によって戦力が弱まるのを防ぐためだったという説が有力である。 フレギオンはティアマトを龍帝として認めたが、これ以上の暗殺は許さないと宣言した。龍帝になりたがる者は勢力を集め、宣戦布告し、正々堂々と勝たなければならないということだった。 フレギオンの宣言によりティアマトは龍帝になったが、世間の目は冷たかった。 自分を非難する世論を鎮まらせて実力を認めてもらうためなのか、ティアマトは積極的に戦闘に参戦したが、そのせいで血や殺りく、破壊を好むという話が聞かれるようになった。 だが、龍帝の暗殺者という事実だけは、最後までティアマトの負い目になった。そのためか、彼女の前には誰よりも多くの挑戦者が現れた。ラクシャとルドラが最も強力な挑戦者だったが、ティアマトは彼らを制圧した。 それでも、龍帝になりたがる者が真っ先に狙う龍帝といえばティアマトだという事実には、今も変わりがない。 |