世界のすべての銘酒を味わう俺にとって、新しい世界とは新しい酒の発見だ。

噂に聞いたが、ここにいる亜人種が本当にいい酒を持っていると聞いた。

その酒を一度味わいたいが……どれ、一度君が持って来てくれないか？

北の赤い珊瑚礁の丘にあるブラック フィン族の村の古い酒樽から血色の甘露酒を盗んできてくれ。そのくらいならできるだろ？
澄んだ良い素材を使えばいい酒ができるということは普遍の原理だが、実は必ずしもそうとは限らん。

伝統酒とは思いもよらない汚いやり方で作られることもあるが、その味は何よりも優れているんだ。
おお！早くそいつをよこせ！

この厚い樽から吹き出る、むせ返るような酒の香りがたまらないんだ。

ちょっと待て。ほんの一口飲んで、聞かせてくれ。

つまみ？つまみなんかいらねえよ。酒を飲むのにつまみがいるなんざ甘ちゃんのやることだろ。本当の酒の味は酒だけを飲み干した時に分かるもんだぜ。
忘れ物？ああ、そうだ！

この荒くて強い酒を味わわせてくれたお礼をしなくちゃな！

さあ、これだ。

君も暇なら一杯やっていかないか？