(ひどくさびた機械装置だ)

(表面を拭ってみると、奇妙な模様が刻まれている)

(高価なものかもしれない)

(考古学者のデイダミアに見てもらおう)
用件だけ簡潔に言ってもらえるかしら。

突然訪ねてくるお客さんのせいで、研究に集中できないのよ。

ああ、でもあなたを責めるつもりじゃないのよ。
まさか、これをエレシュランタ要塞の隠された場所で見つけたの？

以前も何度か、こういうものを持ってきたディーヴァがいたのよ。

これはイピキオに見てもらうといいわ。

似たようなものをたくさん集めて何かの研究をするって言っていたから。

何の研究なのかは教えてくれなかったけど、久々にいい研究テーマが見つかったって。
(本をひっくり返しながら何かを探している)

どこだっけか……確かこの辺りに、書いておいたんだけどなぁ。

おや！そういえば来ていたんだっけ？

気配すら感じなかったから、君がいることも忘れていたよ。
ああ、その研究ならずいぶん前にやめたんだ。

似たような装置を集めるだけ集めて調べたけど、特に成果がなかったからね。

それに、別に古いものだったわけでもなく、ただの付属品だったのさ。

でも、これのためにわざわざここまで来てくれたのに、このまま帰ってもらうのも悪いなあ……。

君、エリュシオンに行く用事はないかい？あるならアヌシスに届けてほしいんだが。

僕に言われたと言って適当に買い取ってもらうといい。
もう少し大きな声で言ってくれ。

耳が遠くなって全然聞こえないんだ。

知ってのとおり、鍛冶屋ってのはみ～んな耳が遠いんだからな。
イピキオ様がそうおっしゃったなら、腕によりをかけてやるさ。

どれどれ、よく見せてみろ。

ふむ、さびだけ落とせば使えるかもしれん。

小さくて重たい金属は意外と使い道があるんだ。