使者として来たライカンと手を結んだほうがいいとは言うが、そんなにおとなしく協約を結ぶわけにはいかない。

われわれが優位だということを見せつける必要がある。

まずは、彼らの言っていることが本当だと証明できる情報を出してほしいと伝えよ。

いい情報を提供しなければ交渉はないと、はっきり伝えて脅すのだ。

エムガタにこう伝えるがいい。

アルトガルド要塞は有能なアルコンに守られている。役に立つ情報を提供しないと要塞の前で死を迎えるとな。

しかし、いい情報を出せば交渉を前向きに検討すると。
ライカンがわれわれ魔族に自らひざまずくなら、あえて始末する必要はないだろう。

だが、偉大な魔族に立ち向かう者は残さず始末してやる！

エムガタにはっきり伝えて情報を確保せよ。

やつらがおとなしく屈さないなら武器を使っても構わん。
スエロン隊長は何と言った？

われわれと平和協約を結びたいと言ったのか？

あなたが前向きの答えを得て戻るよう、祈りながら待っていたのだ。
ただちにいい情報を出さないと命を奪うと？これはまさに脅迫だ……しかし、仕方ない。今はわれわれライカンが弱者。

では、ひとつ情報を差し上げよう。現在、ブラック クロウ族の権力を握っている族長 クンバルンが、彼らの精神的な支柱であるゼンカカの墓を汚したそうだ。それでゼンカカの魂が墓を離れたと。

マヒンデル湿地とその辺りの海岸、そしてカルデロンの丘に上る道に位置する渡し場の周辺をさまよっているらしい。

ゼンカカの魂に頼めば、族長 クンバルンの力を抑え込むことに役立つだろう。
死後も墓からブラック クロウ族を守ってきたが、クンバルンのせいでもう彼らのことは見放した。

族長 クンバルンは私利私欲のために我の安息所を汚したのだ。

もうやつは誇り高いブラック クロウ族の子孫ではない！
族長 クンバルンは我の墓で自分の手下と一緒に隠居している。

やつは力への欲望に捕われ、我と部族を捨てた。やつのやることはもう部族のためではない。

我の力を集約した秘薬をやろう。

この薬を飲めば、クンバルンやその手下の刃に屈さず勇敢に立ち向かえるはずだ。

ブラック クロウ族のためにも、やつと手下を始末するのだ、ディーヴァよ！
ライカンのやつら、何と言っていた？

使える情報が少しはあったのか？

やつらから得るものがなければ、あえて受け入れる必要もないからな。
族長 クンバルンが手下たちと一緒にゼンカカの墓で隠居している……。

ただの隠居とは思えぬ。きっと何かを企んでいるはず。

いずれ、そやつを始末しなければならないな。

エムガタの話が事実だと解明された以上、当分彼らに手は出さない。

話を受け入れながら、より多くの情報を引き出すべきだな。