オルランがあそこまで意地を張るのを見たのは私も初めてです。

ハラバナ天然温泉はレパル団が占拠しているからダメだと話しても、聞く耳を持たないのです。

レパル団に殺されるのと老いて死ぬのとに何の違いがあるのかと言うんです。

その言葉を聞いて私は何も言い返せなくなってしまいました。
考えてみれば、オルランにはもはや、他の願いはありません。

最後の願いなのですから、望みどおりハラバナ天然温泉に思う存分浸かれるようにしてやりたいのです。

その願いを聞いてやれないと、オルランにとっても心残りになるでしょうが、私もまた悔やむことになると思います。
それでなのですが私の娘、オルランをハラバナ天然温泉に連れていってもらえないでしょうか？

レパル団たちが陣取っているので、腕の立つディーヴァが一緒でないと危険でしょう。

プレーヤー様なら、私も安心して任せられます。
ありがとうございます。

ハラバナ天然温泉の近くにいるモティールが、私の娘を介護しています。彼女と話せば、娘を連れていくことができるでしょう。

蝶よ花よと大事に、大事に育てた娘です。

露天風呂に浸かりたいという最後の願いを、ぜひとも叶えてやってください。
どうやらオルランお婆ちゃんのお別れの時が近づいているみたいです。

老人を何人も介護してきたので、それを感じることができるんです。

あんなに体力が衰えてきているのに、ずっと温泉に行きたいっておっしゃっていて……。

最後の望みですし、ハラバナ天然温泉まで安全に連れていってあげてください。
そうでしたか……ありがとうございます。

きっと、オルランにとって最も幸福な時間を過ごした場所がハラバナ天然温泉だったのでしょう。そこで最期を迎えたいと思ったのですね……。

娘のために苦労してくださり、ありがとうございます。

永遠に生きるのも良いことばかりではありませんが、こんな時は家族もディーヴァであってほしかったと思いますね。

でなければ、私が覚醒せず、人間として生きられたらどれだけ良かったことか……。