(独り言で)ふう、こんなことだったらこの前の人に頼むんだったよ……。

もしかしてパンデモニウムに行く用はありませんか？

パンデモニウムに送る手紙があるのですが、シューゴ特急便は信用できなくて。

シューゴのやつら、お金は先払いでもらうくせに、配達は本当に無責任なんですよ。
下の兄に手紙を送らないといけないんですが、パンデモニウムに行く人がいたらお願いしようと思って。

最近は瞬間移動も早いし、いいものを手に入れるために行く人もよくいますからね。

手紙を届けるのは面倒なことではありますけど、私からの手紙を持ってきたと知れば兄もタダでは帰さないと思います。

ああっ、私の兄が誰なのか言いませんでしたね。

知っているかもしれませんけど。フレイールといって、中央議事堂にあるキュア ウイングとチャント ウイングのマスターです。
フレイールが私の兄だというと、みんな態度が変わるんですよ。

わかる人にはわかりますからね。私たちの家がどんな家門なのか。

まあ、私にはそれほど重要なことではないんですけどね。家の力を借りるつもりなら、最初からここに来てこんな苦労なんてしてないでしょう。

そんな気がなかったからこうしているんですし、めったに家のことは口にしません。

まあとにかく、私のお願いを聞いてくれますか？パンデモニウムにいるフレイール兄貴に手紙を届ける仕事です。
パンデモニウムの中央議事堂に行ってフレイール兄貴に手紙を送り届けてくれさえすればいいのです。

では、お願いします。
そうか？うちのフレイヤからか？

フレイヤは近頃どうしているんだ？

仲の悪い兄妹でもないのに、他人に様子を聞くことになるとは。なにせ独立心の強い妹だから、大変なことがあってもなかなか話をしないんだ。

でも、家族の中で末っ子だし、妹だからかいつも気にはかけているのだよ。

それで、持ってきたのは手紙だけか？他にはないのか？
(手紙を読む)

フーム……元気でいるようだし、安心だ……。

しかし寂しいものだな。そんなに難しい用でもないのに、きっぱり断るなんて。

まあ、たまには友達のほうが肉親よりいいときもあるからな。

とにかく、妹の頼みで遠くまで来たのだから手ぶらで帰すわけにはいかない。受け取ってくれ、私の気持ちだ。