多くの学者がアビスの保護石に興味を持っています。

無生物みたいなものに歯がついたその姿も不思議ですが、その結晶がまた非常にユニークだからなんです。

見た目は普通の水晶ですが、ひとつの村を包むほどのオードの力に匹敵します。

アビス研究家のグルン様は、その結晶はアビスが生成された時の力の変化と関係があるとお考えです。詳しくはわかりませんが、この結晶がアイオンの破片とも関係があるとお思いのようです。

それで、私に簡単な実験をいくつか頼まれました。
グルン様の仮説に基づいていくつか確認する作業なので、難しい実験ではありません。

ですが、実験に使う材料が足りないんです。保護石の結晶です。

これから私が何を言わんとしているか、もう見当がつきましたよね、フフフ。風化した保護石を破壊して内部の結晶を採集してきてください。

グルン様に頼まれた実験を早く終わらせたいんです。
結晶が保護石の奥で自然に生成されたというよりは、奥の結晶を守るために保護石が働いたことになるのでしょうね。

ただの無生物にすぎない岩石が奥の結晶に命を与えられ、自衛するようになったのです。

何のことかわかりますか？つまり、保護石は中の結晶を守る金庫のような存在なのです。

ですから、風化した保護石という金庫を壊して保護石の結晶を持ってきてください。

ああ、風化した保護石は古代都市ルー付近の浮遊島に散在しています。
ちょっと待ってください。あと少し、実験の準備を。

はい、もうできました。こうやって実験道具を並べると、神殿でグルン様に教えを受けていたころを思い出しますね。

あとは結晶さえあれば済むのですが、頼んだ物はどうなりましたか？
一体どう実験をしろとおっしゃるんです？

きちんとした結果を得るためには、同じ実験を何度も繰り返さなければなりません。

だから、結晶石がなければ実験は無理なんです！

早く風化した保護石を始末し、保護石の結晶を集めてきてください。
お疲れさまでした。

あまりにも堅くて保護石の結晶が取り出しにくかったと思いますが、お見事ですね。

おかげでいい研究材料が手に入りました。あと残すは実験だけです。

ご協力ありがとうございます。