聞いてくださいよ、サデナが行く前に俺に何かをこっそり渡してきたんです。

どうやら手紙みたいですが……。

どんな……内容なんでしょう。

あまりにもきっぱりフラれたので、読むのが怖いんです。
「バナハルの名門の人びとは、政略結婚をするという事実をご存知ないのかしら？」

「古い制度だとは思いますが、だからといって卑しい家柄のディーヴァと結婚する気なんてさらさらありませんわ」

「そんなにこの私と結婚がしたくて？」

「愛に溺れた心を作って持ってくるならともかくとして」

「中央議事堂にも入れないような身分で私にプロポーズしようだなんて、浅はかな夢は見ないでくださいませね」
それは……あらゆる珍しい宝石だけで作るという心臓の形をした飾りのことです。

材料の入手から細工方法まで、すべてが困難で作るのは不可能に近いと言われています。

数百年前に細工名人がたった一度、作ったことがあると聞きました。

サデナは本当にそれを望んでいるんですかね？「愛に溺れた心」を作っていけば、俺の気持ちをわかってくれるんでしょうか？

でも、今の俺に残った最後の希望なワケですし、選択の余地はありませんね。

俺が愛に溺れた心を作れるように手を貸してください！
「愛に溺れた心」を作るにはいくつか材料が必要ですが、入手が困難なのは黒い心臓と青い足かかと、高純度のアダマンタイトの鉱石です。

黒い心臓を手に入れるには、モルヘイムの赤溶岩の崖に住むポイズン ソーン ラウフィードを倒さなければなりません。そこへ行ったついでに、アダマンタイトの鉱石も手に入れてください。アダマンタイトを採集すれば、手に入ります。

ベルスランのスノウ ガルキオン棲息地へ行ってヤング シルバー クランケルを倒せば、青い足かかとが手に入ります。

材料を入手するには魔界のあちこちまで行く必要がありますが……サデナが私に心を許す最後のチャンスです。

俺が最後の希望だけでも持てるように、材料を手に入れてきてください！
プレーヤー様が材料を探しに行っている間に、俺も「愛に溺れた心」を作る方法を調べてみました。

そういうことはやはりシューゴが詳しいような気がしたので、ブラック クラウド貿易団で聞きまわったんです。

そうしたら、自分たちは直接作れないが、それを作れる工房に口をきいてやることはできると言われました。

かなりのお金を要求されましたけど、作れるということが重要ですよね！

ところで、お願いした材料は手に入れてくれましたか？
簡単に手に入る材料じゃないことはよくわかっています。

簡単なら、愛に溺れた心がそんなに貴重な品なわけがありません。

でもプレーヤー様、俺にはこれが最後の希望なんです。

いくら入手が困難でもサデナの気持ちを動かせるとしたら、一度やってみたほうがいいじゃないですか。
ああ、全部手に入れてきてくださいましたね！本当にありがとうございます。

お願いをしておきながらも、一方では半信半疑でした。あまりにも困難な仕事だってことはわかっていましたから。

プレーヤー様は、恋に落ちた人の気持ちを誰よりもよく理解してくださる方ですね。

今すぐブラック クラウド貿易団に連絡し、「愛に溺れた心」の製作を頼んでみます。

次にお会いする時は、サデナの気持ちをとりこにしたと報告できたらいいですね。