(とても古い本だ)

(紙がぼろぼろになっているため、気をつけないと破れそうだ)

(以前、ここに住んでいた人の日記なのだろう)

(バルタザールの村に長く住んでいるエルビンのところに持っていき、聞いてみよう)
それで、何の用かしら？

バルタザール様の話を聞き逃しちゃいけないから、長話はできないのよ。

用があれば、早く言ってね。
ゾンビからこの日記帳が見つかったの？

うーん……これは村に住んでいたアウレイアの日記帳みたいね。

アドマ城砦に行けば助かるという話を聞いて他の人たちと一緒に行ったんだけど……結局、命を落としたんだわ。

むしろ、この村に残っていれば助かったのに。でも、息子はよそに避難させたらしいわね。不幸中の幸いだわ。

時間があるなら、その子孫にこの日記帳を渡してあげるというのはどうかしら？こういった物を捨てるわけにもいかないし。

その家系は代々、「アウ」で始まる名前を付けているから、探すのはそんなに難しくないと思うわ。パンデモニウムでアウルというディーヴァに会ったことがあるの。まずはその人から会ってみるのはどう？
長い迷いに苦しむディーヴァが私のところに相談に来るという予感がしていた。

遠慮することはない。心の悩みを全部言ってみなさい。

困った時に助けを求めるのは、決して恥ずかしいことじゃない。

同じ苦しみの経験者としてアドバイスしよう。
ブルストホーニンに住んでいた人の日記か。

確かに私の名前は「アウ」で始まるが、私の先祖はブルストホーニンの出身じゃない。

大昔、先祖はベルスランに住んでいたという話なら聞いたような気もするが。

そういえば、ベルスラン要塞にいる食料品商人の名前がアウルバンディルだったな。

もしかすると、その人がその子孫かもしれない。一度聞いてみたらどうかな。先祖がブルストホーニンに住んでいなかったかと。
何か特別な料理でも探しているんですか？

私はただの食料商人ですから、料理名人や達人の料理なんかはありませんよ。

そんな料理を作る腕もありませんしね。
お話をうかがうかぎり、残念ですが私の先祖ではなさそうです。代々ここに住んでいますからね。ディーヴァに覚醒した先祖がいなかったので、ベルスランを離れる理由もなかったわけです。

ああ！そういえば以前、要塞に勤めていたアルコンの中にアスストリという方がいました。

名前が「アウ」で始まるわけではないのですが、ご先祖がブルストホーニン出身なので、そこに志願して行かれるという話をされていたのを記憶しています。

長い年月が経ったので、名前に「アウ」を付ける慣わしが「アス」に変わったのかもしれません。一度訪ねてみるのもいいかもしれませんよ。
ここにいらっしゃるディーヴァ様たちを見るだけでも嬉しいです。

ブルストホーニンの再建に関心を示す人がそれだけ多いという意味ですからね。

お手伝いにいらしたのなら、お願いがあります。
ゾンビの体からこの日記帳が見つかったと？

どうも、これは……私の先祖の日記帳のようです。大崩壊の前はブルストホーニンに住んでいたという話を聞いていますので。

生き残った先祖は他の地域にいる親戚のもとを訪れていたため、辛うじて助かったという話を聞いたことがあります。

飢えと苦痛に苦しんでアンデッドになったとは……自分だけ生きようと、城砦の錠を下ろして逃げた当時の領主が本当に許せません。

人間として、どうしてそんなことができるのか！

とにかく、先祖の日記帳を見つけてくださって本当にありがとうございます、プレーヤー様。