(かたい皮に包まれた小さな種だ)

(とても甘い香りがする)

(カスパールで手に入れたものだけに、特別なエネルギーを持っていそうだ)

(種についてよく知っているトリミノスのところに持っていこう)
聞こえる、命の息吹が……。

きみの腕の中にいる、珍しい種類の命が。

わかるか、私の枝が震えていることを。

強く惹かれる……目を逸らすことのできない、美しい何か。

何なのだ、持ってきたものは。
香りがする……カスパールの。

純粋でけがれのない命。嵐の冷酷さも、干ばつの残酷さも知らない。カスパールの腕の中に抱かれし種。

あふれそうだ、世の中に対する愛と希望で。大切に育てよう、すべての真心を込めて。

永遠を生き抜いても、見ることなどできない貴重な種。知りたい、きみの特別な運命が……種を運びし者よ。

贈り物だ……これは。私にもわからない、その中身は。

きみの運命が自ら贈り物を選ぶだろう、特別なディーヴァよ。