本当にプレーヤーなのか？

最後に会ったときとはずいぶんと雰囲気が違う。なんというか、ちょっと冷たく感じられるというか……。

とにかく、忙しいはずなのに来てくれてありがとう。

実はカシルのことであなたに頼みたいことがあるのだが。
(周囲を警戒しながら小さな声で)カシルが食事を運ぶ人に頼んで、メモをよこしてきたのだ。

アトレイアに新しい星が昇るときが来たようだから、プレーヤー、あなたを呼んでくれと。

カシルはいまだ秘密書庫に閉じ込められたままだ。前より監視が厳しくなってきたから、人の目を避けてこっそり会ったほうがいいだろう。

まったくあの男には困ったもんだ。あれほど口止めをしておいたのに。ハア……。

だが、仕方あるまい。なんだかんだ言ってもあいつは私の弟子なのだ。すばらしい才能の持ち主だから、一度会ってみてくれ。

ここまでして頼んできたのだ、きっと大事な用があるのだろう。
どの本を探してるんだ？

この書庫の本なら何から何まで知り尽くしているからな、タイトルを言ってみな。すぐ持ってきてやろう。

(小声で)こんなに早く来るとは思わなかったよ。師匠様が珍しく早めに手を打ったんだな。

ガミナルトが見ている、何でもいいから本のタイトルを言うんだ。早く！
栄光のインペトシウムだって？その本なら、確かにこのへんで見たような……。

(小声で)ムニンのところに行ってみな。

彼がスクルドに頼んで私に伝えてきたんだ。アトレイアに新しい星が昇ると。その人物を探して彼のところに送るようにとな。

前に会ったときにうすうす感じてはいたが、やはり君だったか。おそらくムニンもあんたのオーラを感じて、待っているだろう。

ムニンに会ったら伝えてくれ。「アトレイアに2つの星が昇ったが、1つは血の色をしている」と。

気をつけて行けよ。沈黙の審判所は君のことを見張っている、後を尾けられないように気をつけるんだ。

(大声でわざとらしく) ああ、そうだった。私としたことが。その本は秘密書庫の外にあるのに、うっかりしていたよ。

悪いが、外で探しな。
カシルに会ったようだな。

アトレイアから新しいオーラを感じていたから、おまえが来るとわかっていたんだ。

ここまで来る間、後を尾けられなかったか？

俺はすでに囚われの身だから構わんが、おまえはいろいろと用心したほうがいい。俺みたいに閉じ込められたくなければな、フフ。

それで、カシルは他のことは言わなかったか？
「アトレイアに2つの星が昇ったが、1つは血の色をしている」だと？

フム、あいつも気づいているようだな。

ヘリオンを覚えているか？やつもお前のように最高の境地に達しているようだ。

しかし、問題はそこではなくおまえだ。おまえが手に入れたその力、なにやら不穏だな。

もしや、魔界を破滅させるのは……いや、定かではない未来のことを言う必要はない。

今までおまえがどれだけの成果を成し遂げたかを知りたい。近くに来て私の手におまえの手をかざしてみろ。
(しばらくの時間が経ち、口元に流れる血を拭きながら)クウッ、心配していたとおりだな。

思ったよりことは深刻だ。

私が用意したものだけでこの危機を乗り切れるかどうか……。