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古代の風道の作動装置について | |
NPC
レベル: 1 HP: 63 攻撃半径: 0m | |
Dialogs: 古代の風道の作動装置について ―リオメ 著― ―序文― 経験豊富なディーヴァなら、一度くらいは浮遊する古代聖所の遺物探査のため、古代の風道作動装置を利用したことがあるだろう。 しかし、多くのディーヴァたちが破壊された巨神兵の前に置かれたあの構造物がどんな原理で作動するのか、誰が作って置いたものなのか、いつからあそこにあったのか、詳しくは知らないのだ。 それを説明する冊子や記録がまったくない状況を残念に思った筆者が、気がかりを解消したいディーヴァたちのためにこの冊子を執筆することにした。 古代の風道作動装置は、推定できないほど長い年月の間、サルファンの砂の中に埋もれ、比較的最近になって知られるようになった。 最初にそれを発見したのは、絶壁に深く突き刺さっている破壊された巨神兵を調査するため、そこに滞在していた学者たちだった。 風で露わになった輪っか型の構造物の一部を発見したのだ。学者たちは初め、それをサルファンでよく見られる古代遺跡の一部だと考えた。 しかし、発掘作業が開始され、砂の中に埋まっていた巨大な構造物全体が姿を現したとき、考古学界に大きな波紋が広がった。 巨神兵とこのような巨大構造物が一緒に発見されるといった前例がなかったからだ。 多くの学者たちは、構造物が巨神兵のどの機能に使用されるのか調べ出すため、討論を重ねた。 ところが、討論の結果、その構造物は巨神兵とは関係のない別の構造物で、それぞれ違う時期にここに置かれたものだという結論が下された。 これにより、学者たちはそれぞれの関心に応じて破壊された巨神兵と構造物を調査する2つの派に分かれ、研究を進め始めたのだ。 筆者は輪っか型の構造物に関心を持っていたアーケロン様の弟子として研究団に参加する幸運にめぐりあえた。 正体のわからない3つの巨大な輪っか型の構造物は、結界内部で使われる飛行の輪とそっくりだった。 そのため、一部の学者たちはそれが飛行の輪の一種で、ディーヴァたちの飛行を助けるために製作されたものだと推測した。 しかし、飛行の輪が本格的に導入されたのはアビスが発見された大崩壊以降のことだ。大崩壊以降となれば龍界に位置するサルファンはオードが消えた時代となり、飛行を助ける輪は無用のはずだ。 それに、飛行の輪ならそれを作った者はディーヴァだということになるが、龍界に残されたディーヴァたちは誰も、これほど巨大な構造物を製作するだけの余裕がなかったのは確かだ。 このような理由から、飛行の輪だという意見は少しずつ力を失っていった。 以後、道筋をつかめずに空回りしていた研究だったが、ヌビリム発掘調査団長として働いているリナクロフトが諮問委員として参加すると再び活気を取り戻した。 権威ある考古学者の彼女が磨耗された構造物の表面を化学処理し、見えなかった模様を復元し始めると、本当に驚くべき結果が現れた。 構造物から見つけ出した模様は、破壊された巨神兵に刻まれたものと同じ様式だったのだ。 さらに、彼女はその模様がドバリム地下工房で発掘された遺物に見られるものと一致するという事実まで把握した。 研究が新しい方向へ転換する手がかりを提供した彼女は、個人的に探さなければならないものがあると言って研究から手を引き、惜しくも調査団を去るという意思を明かした。 彼女が去った後、彼女が明らかにした資料を活用して長い間研究が進められたが、研究は再び振りだしに戻った。 巨神兵と輪との関連性を、模様の他に見出せるものがなかったのだ。 研究資金も十分でない状況で時間だけが無意味に流れていた時、事故が発生した。 ある見習い魔法士の失敗で、用途不明の装置に付着していたオードの水晶が破壊されてしまったのだ。 ああ、一体誰が言ったのだろうか。発展は失敗から始まると。その発言者に惜しみない賛辞を送りたい。 水晶が破壊されると、信じられない光景が広がった。砂の中に埋まっていた3個の輪が一斉に空中に浮かび上がったのだ! その驚くべき光景に研究団員たちも口をポカンと開けていたが、本当に驚くべき出来事はその後に起こった。 空中に一列に並んだ輪が、オードのエネルギーが込められた強力な風道を作り始めたのだ。 それも、オードが枯れた龍界の環境の中で! アーケロン様はそこに知恵を発揮し、作られた風道が浮遊する古代聖所に繋がるよう輪の位置を調節した。 これはすばらしい考えだった。多くの考古学的な価値を保有した古代聖所は、これまで接近が難しく、学者たちに愛想をつかれていたためだ。 私たち調査団は煉族 元老に新しく発見した研究成果を知らせ、その成果は煉族の指導者であるカルンにも伝えられた。 ところでカルンは、構造物を学者たちとは違う方法で活用する考えを持っていた。 彼は構造物をカマルに移し、対ドラゴン用兵器として活用する方法を研究しようとしていたのだ。 しかし、サロモネは現在の煉族を取り巻く状況から、その構造物に損傷を与えることなく移すには失うもののほうが大きいと判断し、カルンに反対意見を述べた。 すると、興味を失くしたカルンは活用価値のないものをこれ以上研究し、人力を浪費する必要はないと言って研究団の解散を命令してしまった。 まだ構造物について調べるべきことが山のように残っているのに。 カルンの命令に逆らえる者は誰もいなかったため、研究団はすぐに空中分解してしまった。 しかし、今も何人かの学者たちが諦めずにその構造物について研究しているので、近い将来すべての秘密が解かれることを期待している。 現在は、ドバリム地下工房のヌビリムたちが千年戦争の中盤、円滑な物資輸送のために設置したという説が定説と考えられている状況だ。 1つ面白いのは、人びとがいつの間にかその構造物を古代の風道作動装置と呼んでいたという事実だ。 おそらく、神秘的な構造物に対する想像にかられた物好きたちによって付けられた名前のようだ。 事実とは違う名前のため、すぐに直さなければと思ったが、代わりとなる名前がなかった。 それに加え、カマルで発行する公式の地図に「古代の風道作動装置」と記載されたため、断念することとなった。 研究は今後も続き、すべての秘密が解き明かされれば自然と訂正されるはずだと信じているからだ。 |