すべての煉族が我々に対して友好的だと考えているとしたら、それは誤算です。

プレーヤーはよく知らないでしょうが、我々がこの地にやってきて初めての難関が煉族を説得することでした。

その努力があったからこそ、我々天族をある程度信頼してくれるようになったんです。

彼らは長年、我々とは異なる道を歩んできました。見方によっては魔族よりもっと遠い存在かもしれません。そのことを忘れてはいけません。

ですから、煉族との友好関係を保つためには今後もさらなる努力が必要なのです。
時々頭の痛い問題が起きるのは避けられません。

最近のことですが、偵察部隊が気流に乗って移動中に忘れられたヌビリム工房というところを発見しました。

地中に隠されていた工房の一部がどういうわけが外に現れたようなんです。施設も建物も保存状態は良好でした。

実を言うと、ヌビリムについてはほとんど何もわかっていません。でかい図体に似合わず繊細な手技を持った生命体がどこから来て何のために働いているのか、そのすべてが謎です。

お偉方は調査を急いでやりたがっているようです。どうやら何か重要な秘密が隠されているようなのですが……。

問題は、アランという煉族がそこに近づくことを妨げていることです。
話も通じないので、兵士たちにアランを退治させようと思ったのですが、煉族がひどく反発するのです。

よくわかりませんが、おそらくかつてのリーダー的存在のようです。

煉族の言葉で話しかけても、天族の言葉で話しかけても耳を傾けようとはしません。何か奇妙な研究に没頭しているようなんです。

煉族の意向を無視するわけにはいきませんから、ゲロンに天族の有能な交渉人を紹介して説得するように伝えました。

ご存知ですか？スレイオンという人の心が読めることで有名なディーヴァです。

ともかく、破壊された工房の本格調査開始まであと数日しかありません。進捗状況が気になるので、ゲロンに会って話を聞いてきてもらえませんか。
我々の兵力を以てすれば、大した数でもないヌビリムと煉族なんてひとひねりですよ。

ゲロンに頼まれたから、説得することにしたのですが……。

あの有能なスレイオンが向かったにもかかわらず何の便りもないだなんて、いったいどういうことなんでしょうか。

ともかく、お偉方には早急に工房を掌握してヌビリムの遺産を調査するように言われているんで、もう時間がありません。

急いでゲロンのところに行ってきてください。
若き天族よ……。

あなたは……煉族を助けに来たのか？

長年の苦痛に耐えてきた煉族に施しをするために来たのか？
破壊された工房にいるアランなる者は、かつてわれわれの指導者だった。

天と地が裂け、人びとは死に追いやられ、龍の崇拝者となることを強いられた。その時も生き残るために奔走した賢者だ。

彼がまだ生きていることに驚いたが、さらに驚いたのは彼が悪行を行っているということだ。

絶望してわれわれの元を去ったが、彼はそんな悪人ではなかったはずだ。彼は人間、ディーヴァ、そしてシエル神を愛するわれわれの師なのだ。

スレイオンなる者がアランを説得するために破壊された工房に向かったという。物事を見通す鋭い眼力を持った天族だった。

しかし、彼は帰ってこなかった。

私を助けに来た天族よ、スレイオンを助けに向かえ。そして、われわれの師であったアランをわれわれの元に連れ戻してくれ。
ここはいいですね。

空気もおいしいし。

こうやって立っていると、ここが戦場とは思えないほどのどかですねぇ。

あなたも遠路はるばるご苦労さまでした。でも、そんなことは忘れてここを思いっきり楽しんでみてはどうでしょう？
ふう……ここまで来て早速仕事の話ですか。

これだから若い人はイヤなんだ。風流ってものを知らない。

仕事をとっとと片付けようなんて考えは捨てなさい。

まずはこの地を体で感じてみるのです。荘厳な絶壁、耳元を通り抜ける風、不思議な龍界の空……。

感じ取ることができるようになれば、人の心はひとりでに見えるようになります。そういうものなのです。