人間は一度恨みを抱くと豹変します。特に信じていた人に裏切られた時の怒りや恨みは、言葉では言い表しようのないものでしょう。

アゲイロン神秘の泉で起こっていることも、もとはといえば村人たちに対する恨みが原因なんです。

イスオンという青年がいました。ディーヴァではなかったんですが元気があって統率力もある村のリーダー的存在でした。

飲み水がなくて村に危機がせまった時も、水が流れる所を探して深い井戸を掘ろうと提案しました。
村の青年たちを集めて井戸を掘り始めたんですが、水は出ませんでした。そうこうしているうちに事件が起きました。

地盤がゆるかったせいか、井戸の壁が崩れたんです。そのせいで、下で工事をしていた青年たちが命を落としてしまいました。

イスオンは自分の過ちだったと詫び、許してほしいと手を合わせたのですが、子どもを亡くした親たちは彼を殺人犯呼ばわりしました。

死んで詫びろといって叫ぶ人たちからイスオンを守るため、私はひとまず彼を倉庫に閉じ込めました。

とこらが、彼はひどく傷ついたのでしょう。何日かすると倉庫を壊して脱出してしまったんです。
それから長い歳月が流れ、人びとはイスオンのことを忘れていきました。

でも、イスオンはあの時の恨みを忘れていないようです。レパル団のボスになって再び現れたのですから。

彼がこの地に戻ってきて最初にしたことは、アゲイロン神秘の泉の占拠でした。その次は村の前の小川に毒を撒き、村人たちは病気にかかりました。

これからまた彼が何を企むのか……イスオンの復讐が続くのではないかと、みんな不安に怯えています。

偵察隊長 イスオンがまた何かをしでかす前に、プレーヤー様が倒してくださいませんか？
偵察隊長 イスオンがまた何か悪さをする前に倒してください。村と村人を守るためにはそれしか方法がありません。

レパル団はアゲイロン神秘の泉の近くでテントを張っています。イスオンもその近くにいるはずです。

彼は偵察隊長になって部下たちと一緒にいるので、一筋縄ではいかないでしょう。気をつけてください。
プレーヤー様にイスオンを退治してほしいとお願いしましたものの、気は進みませんでした。

いったい、どこでおかしくなってしまったんでしょうか？

彼は村のために全力を尽くした功労者だったのに、どうして許してやれなかったんでしょう。それにどうして彼は恨みを抱き続けたんでしょう。

今さらそんなことを考えてみても仕方ありませんね。もう取り返しのつかないところまで来てしまったんですもの。

イスオンは……どうなりましたか？
正しいことなのだと、仕方のないことだとは思いますが、それでも心が痛みます。

私が神官じゃなければ、他の人たちのように知らんぷりをしたでしょう。申し訳ないという思いと恐ろしさが入り混じった気持ちで。

みんなのために1人を犠牲にしなければならないとは……本当に悲しいことです。