ナルカタル様の体が弱いのは生まれつきだ、クアァン。

生まれつき体が冷え気味で、体中の各器官の調子が悪い。

まともな居場所もなくて、こんな寒い所で暮らしていらっしゃるから、さらに悪化するのも当然のことだ、クフウ。

どこか暖かい所に行って過ごせば、少しはよくなりそうなのだが……この状況じゃどうしようもないだろう。
しかし全く方法がないわけではない、クアン。

私の祖父がほかの部族のライカンからこっそり習った秘法に、体質を変え体を温かくする強壮剤の作り方があったのだ。

すでにナルカタル様にも何回か処方した。

薬を飲まれて、手足が以前より温かくなったとおっしゃっている。

すぐにはよくならなくても、飲みつづければ徐々によくなるだろうと期待しているところだ、クフウ。
だが実は、作っておいた強壮剤がもうないので材料を入れておく壷を見ると、からっぽではないか、クフウ。

いろいろやることが多くて、材料がないことを忘れてしまっていたんだ。

すまないが、強壮剤の材料を手に入れる仕事をお願いしてもいいだろうか？1人ではなかなか手に入れにくい材料なのでな。

強壮剤がもうないことがわかったら、アキガタン様がひどく怒るだろう、クアァン。
強壮剤の材料は、寒さに強い動物であるフェロシャス リュクロックの胆嚢とスノウフィールド クレスの触手です。

苦くてにおいもひどいが、効き目は優れている、クフウ。

やつらは村を出て少し歩くとすぐ見えるだろう。

ほかのリュクロックやクレスでは効果がないんだ。

必ずフェロシャス リュクロックとスノウフィールド クレスでなければならないから、覚えておいてほしい、クアン。
ナルカタル様のせきがまたひどくなってしまった、クアァン。

家にいらっしゃるべきですと何度も申し上げたのに、直接村を見回られたらしい。

村を心配なさるお気持ちはわかるが、困ったことだ。

それで、私が頼んだリュクロックの胆嚢とクレスの触手は持ってきたのか？
まだなのか。

強壮剤は飲みつづけないと効果がないんだ、クフウ。

命がかかっているわけではないが、でももう少し急いでほしい。
これぐらいなら十分薬が作れるな、クフウ。

やっかいなことを手伝ってくれてありがとう。

つまらないものだが、私からのお礼だ。

では、私は急いで強壮剤を作らねばならないから失礼する、クアァン。