ところで、そのビソンというドレイキは恩知らずなやつだな。

モルーラ洞窟に散歩に連れていったりもして、かわいがってやったのに逃げちまうとは、ひでえ話だ。

これだからペットは嫌いなんだ。

いくら熱心に面倒を見てやっても、いつ飼い主を裏切るかわかったもんじゃねえ。
どうにかしてビソンさえ見つけだして連れていきゃあ、ジャマノークに好かれるのも時間の問題のはずなんだがな……。

一体ビソンは何が気に入らねぇから飼い主を捨てて出ていっちまったのかな？

そいつをとっ捕まえてきたいところだが、そんなことしようもんならジャマノークが俺のことを野蛮人扱いしかねねぇからなぁ。

まずはそいつを見つけ出し、何が欲しいのか聞いてから欲しがっているものを持っていって手なずけてやるってのがいいだろうな。
あんた、俺をもう1回手伝ってくれないか？ジャマノークはビソンを連れてモルーラ洞窟まで散歩に行っていたんだろ？

ビソンはそこに隠れているに違いねぇ。ペットなんざ、逃げたところで行き慣れた場所に着くに決まっているもんだ。

ビソンを見つけ出し、一体欲しいものは何なんだって聞いてくれねぇか？

どうせなら、ついでにビソンが欲しいものも手に入れてきてくれたらありがてぇんだけどな！
ありがてぇな。あんたがビソンの好きなものを持ってきてくれたら、俺はそれでビソンをおびき寄せてジャマノークのところに連れていくつもりだ。

そして、ビソンを見て喜ぶジャマノークに、密かに恋してきたんだって告白するのさ。

ビソンが欲しがっているものを聞きだして持ってきてくれたら、たっぷりお礼はするつもりだ。約束するぜ！
ギギッ。行かない！

ギギギッ。ジャマノークのところに連れていこうとしたって行かない！

ギッ。ジャマノークは虐待する。

ギギッ。小さいペットが好きだって言うクセニ、しょっちゅう餌を抜くんだ。
ギギッ。ビベルの肉。

ギッギギッ。腹が減った。

ギッ。ビベルの肉食べたい。
ビソンは見つけたのか？

ドレイキとは思えねぇほど小さいっていうが、本当にそんなに小さいのか？

そのチビが欲しいものは何だって？

欲しがっているものは手に入れてきたのか？
なんだ、ビソンには会えなかったのか。

そうでなきゃ、ビソンが欲しがっているものを持ってこれなかったのか？

あんたがそんなに適当な仕事をするやつだったとはな……もう一度やってみたらどうだ？

ジャマノークにいい男だと思ってもらうには、ビソンを探しだすほどいいチャンスはねぇんだ。
ビソンってドレイキもまったくしょうがねえやつだな。親切なジャマノークが育ててやったってのに、虐待とかぬかしやがってよ。

どっちみち、このビベルの肉さえあれば、そいつをそそのかすことができる。だろ？

よし！今度はこの肉を持って行ってビソンをなだめすかして、ジャマノークのところに連れていこう。

恩に着るぜ。ビソンのことでジャマノークとうまくいったら、あんたは俺の恩人だ。