ふと、不吉な考えが思い浮かびました。

そのキプロスという者が、テオボモスの秘密について知っているとすれば……。

その石像に生命力を吹き込もうという無謀な試みを行っているのではないでしょうか？

もし、それが事実なら早く止めなくては！
つまり、その石像はピグマリオン様のものなんですね？

ピグマリオン様が一生独身で暮らしながら、ある石像を妻のように大事にしているという奇妙なうわさを耳にしたことがあります。

でも、そのキプロスという人物はなぜ、ピグマリオン様が大事にしている石像を盗み出してここまで運んできたのでしょうか？

とにかく、危険な真似をする前に早く止めなければ！
秘密研究所の動力装置はとても不安定です。

研究所の空間を歪ませることができるほど暴走した状態の動力装置を使用すると、シリカニウムのせいで大変な目に遭うでしょう。

どうぞ、早く中へ。

石像を持っているというキプロスを探してください。
おや？わしの手が透けている。わしは幽霊になってしまったのか？

美しいガラテイアが恐ろしい怪物に……。

そして、わしはこんな……。

こんなことになってしまうとは、なんたる悲劇！うっうっうっ……。
わしはデルモイの聖所で初めてガラテイアに会った瞬間、恋に落ちたのだ。

そして、自分でも気づかないうちに彼女をさらっていた。

彼女を連れてさまよっているうちに、ここにどんなものにでも生命を吹き込むことができる装置があるという話を耳にしたんだ。

ガラテイアを愛していた。だから、石像の彼女に生命を与えて妻として迎えいれたかっただけなんだ！