調べによると、イナンナは現在アプサランタにいます。

アプス龍帝時代の首都にあたる地域です。

追跡まで妨害しようとした理由はおそらく…

アプサランタの心臓に向かうためです。
はい、アプサランタの心臓です。

アプスと側近たちが身を寄せていた宮殿といいますか。

アプスがティアマトに暗殺されたのもアプサランタの心臓でした。

その場所に龍帝アプスの力の核となる権能が残っているはずです。
そうです。その力を利用するつもりです。

もしイナンナがアプサランタの心臓に残るアプスの力を手に入れたら、高い確率で覚醒するでしょう。

それだけは阻止しなければ。

すぐにアプサランタの心臓へ向かってください。
先に派遣された追跡隊は、まだアプサランタの心臓に到着していないようです。

ステラーの妨害のせいで中に進入できないそうです。

プレーヤー様の力が必要な状況です。
急に私が現れたので驚かれたでしょう。

実は先日、時の宝物をお渡ししたときに少し細工をしておいたのです。

それを使うときは間違いなく危機が迫っているときだと思ったからです。

宝物が作動したらすぐに動けるよう、召喚魔法をかけておきました。

プレーヤー様を助けに来たのでご安心ください。
ふむ、時の宝物がちゃんと作動したようですね。

まだ覚醒が起きていない時間に来られたようです。

進行中でもないですね。波動の変化が感知されていませんので。

つまり、今が絶好の機会…！

覚醒を阻止して、未来の惨事を防ぐのです。

プレーヤー様、覚醒を阻止する良い考えはありますか？
説得ですか…

覚醒を控えた龍族に、果たしてそれが通用するでしょうか？

失礼ですが、無謀な計画だと思います。
そこまで仰るのなら…お任せします。

あの未来の中の登場人物は私ではなくあなたでしたから。

では早速、もうじき現れるイナンナから探しましょう。

説得でも武力でも、どんな手を使ってでも覚醒を阻止すれば成功です。
どうしてボクより先に…

ううん、そんなのどうだっていいわ。

どうせ全部なくなるんだから。
やめて。

説得してもムダよ。

ボクはもう決めたの。

強くなって龍帝になるのがボクに与えられた使命。
ともだちだと思ってたのに…

あなたこそボクの話をまったく聞き入れてくれないね。

かならず龍帝にならなくちゃいけない理由があるの。

だれも邪魔できない存在になって、この理不尽な世界を根本から変えてやる。

理解してくれないならこれ以上話すことはないわ。
…やめて。

いくらあなたでも、これ以上は許さないわ。

どいて。
説得はどうでしたか？

成功しましたか？
やはり…説得は難しいですね。

かなりの時間を費やしてしまいました。

再び阻止しに行っても、その間に覚醒するかもしれません。

ですが幸か不幸か…

我々にはまだチャンスがあります。
驚いたことに、時の宝物がまだ残っているのです。

一度使ったら破損して消えてしまうものなのに…

おかしいですよね？

そこで調べたら、この地域はとても特殊な場所でした。
とてつもない復元力が宿っているといいますか。

一定範囲内のものを元通りにしようとする強い力、深い怨念のようなものを感じます。

時の宝物が消えない理由も、そこにある気がするのです。

すなわち、どれほど有効かは分かりませんが宝物を何度か使えば…

時の力で近い時間帯の複数の過去に行けるのです。

それで未来を変える方法を模索してはどうでしょう？
思念体を倒しても失敗するとは。

…仕方ないですね。

アプスの王冠を破壊する方向に変えた方が良さそうです。

アプスの権能の本体はアプスの思念体ではなく王冠なので、イナンナが手にする前に壊せば勝算はあります。
ですが問題は破壊の方法です。

アプスの権能が凝縮されたものなので、普通の方法で消すのは不可能に近いです。

うむ、時間が迫ってるのにどうすれば…

(悩みはじめたようだ)
おお、良いご指摘ですね。

アプスを倒したティアマトの力なら効かないはずがないのに、思いつきませんでした。

しかもここはアプスが殺された場所。

当然、ティアマトの権能がどこかに残っているはずです。

破壊力のある大地の魔法が宿った…その力を拝借しましょう。
私は覚醒の媒体である思念体が王冠から分離しないよう、制御しています。

プレーヤー様はこの地域に残るティアマトの権能を探してきてください。

長い時間は稼げません。急いでください。
(鋭く大きなクリスタルのトゲの中に強大な魔力が凝縮されている)

(よく見るとクリスタルの周りに激しく衝突する気を感じる)

(ここだけ周りの風景とまるで違うのにも違和感を覚える)

(どうやらこのクリスタルが龍帝アプスに対抗する力を持っているようだ)
これを見てください。

これほど凄惨な姿が幻影の裏に隠されていただなんて。

幻影の気配はうすうす感じていましたが、地域全体がこうなっていたとは。

これまで見た幻影の中で最も強力なものでした。

これから…どうしましょうか？

時の宝物はまだ残っていますが、もう有効な方法がありません。
そうですね…

時の宝物がある限り、希望は残されています。

問題はいつまでこの力が使えるのか分からないのです。

とても危険な状況です。

現実を直視して客観的に解決方法を探しましょう。

覚醒が成功するという前提のもと、新たな対策を立てるのです。
そうですね。

覚醒が成功すれば、あの悲劇が現実になります。しかし我々の力だけでは及びませんので。

事前に警告しておく必要があります。

現状を伝え、支援を要請するのです。

代行…いえ、それ以上の神の力が必要になるかもしれません。
あらゆる手段を使って阻止したけれど…結局は覚醒してしまった。

はあ…そうですか。

プレーヤー様から経緯を聞いた限りでは、最善を尽くしたと思います。

これからは覚醒後の決戦に備えるべきです。

このことを代行 カイヌス様にもお伝えください。