エレシュランタへ行ったアレミオンから、もうじき帰ってくるという連絡があったんです！

あ、アレミオンは私の息子です。たった1人の息子なんです。

息子を授かったとき、私はアルコン軍団兵として働いていました。でも、子どもを産んでからは、どうしてもあの子を置いて第一線で働くことができなかったんです。

それで、退職して息子を大事に育てました。

息子がディーヴァに覚醒したときは、この子が先に死ぬのを見なくてもいいと思って喜んでいたのですが……息子がエレシュランタへ行くと言ったときは胸が引き裂かれる思いでした。
アレミオンを最後に見たのはいつだったのか、あまり思い出せません。

息子の無事を願って毎日、大神殿にお祈りを捧げに来ました。

そして、もしかしたら息子が帰ってくるかもしれないと思い、ここから次元の扉を眺めたりしていたものです。

馬鹿なことをしてと言う人もたくさんいましたけど、そうでもしないと耐え切れなかったんです。

でも、やっとアレミオンが戻ってくるなんて、嬉しくて踊りだしたい気持ちです。
それで、アレミオンのために歓迎の宴会を開こうと思います。

無事に戻ったことに対する感謝と喜びを、人びとと分かち合いたいんです。

ところが、私は宴会を開いたことがないので何をどうすればいいのかよくわからなくて。

ディーヴァ様、セレスティ様に宴会を頼んでいただけませんか？
セレスティ様にお願いするとき、どんな宴会を望んでいるのかもお伝えください。

とりあえず、あまり派手過ぎないようにしたいのです。家族と知人だけが集まる宴会で、素朴であたたかな雰囲気になるように。

アレミオンは宴会を楽しむようなタイプの子ではありませんでしたから。パンデモニウムで楽に過ごせたはずなのに、アビスに行ったことからもわかりますでしょう？

とにかく、アレミオンがアビスから戻ることになってひと安心です。
宴会を開く理由は、人によって様々です。

バナハル地区でも頻繁に宴会が開かれていますが、目的は主に自己顕示欲と人脈形成のためです。

それに比べると、クランデール地区で開かれる宴会はお祝いのためのものが多いんですよ。

目的はともかく、宴会を準備するのは誇らしいことです。人びとに喜びを与えられますから。
アレミオンが戻って来ることを祝うための、歓迎の宴会を開くってことですわね。

あの方はずっと、ビフロスト橋であれほど息子を待っていらしたから、本当によかったですね。カロルリンも、これからは気楽に過ごせそうだこと。

仕事が少し溜ってはいますが、カロルリンが息子のために開くものですから断るわけにはいきません。

カロルリンとアレミオンも、みんなが満足できるような宴会を準備してみせますわ。