ID: 730153 | |
助手の日誌 | |
NPC
レベル: 1 HP: 63 攻撃半径: 0m | |
Dialogs: いつか秘密研究所を訪れてこの日誌を読むあなたへ テオボモス様が地中深くに隠した秘密研究所まで来るほどですから、あなたはきっと特別な人だと思います。 そんな特別なあなたに希望を込めて、この記録を残します。 龍族を追い払うために巨神兵を研究した私たちの努力を、どうかそっくりそのまま後世に伝えてください。 そして、この私たちの努力を後の世でよみがえらせてください。 私の幼いころはもう、巨神兵の物語は伝説となっていました。実際に巨神兵が存在していたことを信じる者など1人もいませんでした。 信じない者は、目の前にある証拠すら目に入らないのです。平原の至るところに散在している巨神兵の破片を、ただの石だと考えていました。 私も、その愚かな者の1人だったのです。しかし、私は運命の定めによってテオボモス様に会い、その導きに従って巨神兵の研究を始めました。 とはいえ、私の能力など取るに足らないものであり、研究とはとても呼ぶことのできない恥ずかしいものですが。 私が巨神兵の研究を手伝い出したころ、テオボモス様の手元にはもうすでに巨神兵の破片がほぼ集まっていました。 テオボモス様はずいぶん昔から山や野原、海岸を回って巨神兵の破片と思われるものを集めていたのです。 私たちは再び巨神兵に命を吹き込むことに力を注ぎました。伝説に語り継がれているように龍族を掃討できるほどの恐ろしさを持つ兵器になれと。 私はエリュシオンまで行って過去の文献を調べ、そして危険を臆すことなくカリドンの遺跡も調べました。テオボモス様の指示どおりに実験も行いました。 大して役に立てはしなかったかもしれませんが、数百年もの間、巨神兵をよみがえらせることだけに力を注いだテオボモス様のお力になれることは、私にとって大きな光栄でした。 そして、忘れもしないあの日。結界が消え、アイオン塔が壊れたと言われたのです。 本当にアイオン塔が崩壊したのか確かめる暇もなく、龍族が波のように押し寄せてきました。 数少ない人間とディーヴァたちでは、龍族の侵入を防ぐことなど無理な話でした。 そこで、この世界を踏みにじる龍族を追い払うため、テオボモス様は大いなる決断を下すしかありませんでした。 まだ研究は終わっていないものの、巨神兵を再び立ち上がらせることにしたのです。 巨神兵が現れて龍族に立ち向かった時、人びとは目を疑いながらも大きな歓声を上げました。 いとも簡単にドラカンを投げ飛ばしてしまう巨神兵の様子を見て、すぐその瞬間にでも龍族を追い払えると信じたのです。 私は感極まり、胸がつまりそうでした。 龍族との戦いに勝つためには巨神兵の復活が欠かせないと信じていたテオボモス様の考えが確信に変わる瞬間でしたから。 しかし、その感激にあふれた希望も長続きはしませんでした。 神の安息所にいた龍族をほぼ全滅させた時、どこからか物々しい火の玉が飛んできました。 それが1つだけではなくいくつも。大小入り乱れて火の玉が降り注ぐ様子は、まるで火の雨が降っているようでした。 そして、遠くに見えた龍帝の影。その赤い影は、龍帝の中でも一番強い力を持つというフレギオンでした。 強力だった巨神兵も、龍帝の前ではひと溜まりもありませんでした。果てしなく降り注ぐ炎の玉に耐え切れず、倒れてしまったのです。 そして、火の玉がその体をかすめると巨神兵からは炎が上がり、同時にテオボモスのいたる所が燃え始めました。 巨神兵が消えると再び龍族が押し寄せてきましたが、私たちにはそれ以上龍族を押し返す力など残っていませんでした。 人びとは少しでも安全な場所へ逃げようとわめき立て、ディーヴァたちは命をかけて龍族の侵攻を防ぐために立ち上がりました。 後に備えてテオボモス様を安全な場所に案内しようとしましたが、怒りに満ちたテオボモス様はまったく私のいうことなど聞こうとしませんでした。 人間を守ることがディーヴァの本分だと言いながら龍族と戦うために飛んでいったのです。人間だった私もテオボモス様に従いました。 ドラカンに果敢と立ち向かうテオボモス様の力はすばらしいものでしたが、次から次へとやってくる龍族を防ぐことはできませんでした。 私は自分の目の前に飛んでくる龍族のソードを見たのが最後、それより後の記憶は途絶えました。てっきりそのまま死ぬのかと思いましたが、アイオンは私のためにもう1つ、命を備えておいてくれたようです。 再び気がついた時、龍族はすでに消え去り、結界ができあがっていました。アイオン塔は依然として壊れたままでしたが。 そして、私の背中には羽が生えていました。死を迎えた瞬間、私は覚醒したのでした。 周囲を見回しても、生存者は1人もいませんでした。誰もいない場所で1人、覚醒して死を逃れるなんて……。 苦しみや悲しみ、正体のわからない怒りが湧き上がり、私の口から悲鳴のような叫びが飛び出しました。耳を傾けてくれる者など誰もいませんでしたが、私は構わず叫び続けました。 しばらくして気持ちが落ち着いた瞬間、私はアイオンの意志が何であるか、そして自分がやるべきことは何であるかを悟りました。 巨神兵の記録を残して後世に伝えること。 テオボモス様の研究を継いで完成させること。 この2つが私の生き残った理由です。 記録は完成しました。これから私は長い旅に出ます。フレギオンの攻撃でアトレイア各地に散らばった巨神兵の破片を集める旅です。 いつかテオボモス様の願いどおり、完璧な巨神兵がアトレイアの大地に再び立ち上がることができるように。 |