正義を貫くってことは、悪党を倒すことだけじゃないはずだ。

今じゃ想像すらできないだろうが、ブルストホーニンは魔界でも指折りの豊かな地だったのさ。

その中心部にあったアドマ城砦に、どれだけ巨額の財産があったか想像できるか？

ブルストホーニンが龍帝の攻撃で廃虚になった後も、アドマ城砦の倉庫には穀物が山ほどあったそうだ。

アドマ城砦を閉めた後も、食べたり飲んだりしながら宴会を楽しんだそうだからあきれた話だ。
可哀想な住民からお金を搾り取り、自分の私腹を肥やした領主の宝倉庫には、言葉どおり何でもあったらしいぜ。

古い書籍を見ると、荒地でも育つ精霊の種、華麗な首飾り、黄金の杯、古い金貨など、様々な宝物がたくさんあったらしい。

どうだい？その宝物を、そのままにしておいていいと思うか？

俺は違う。その宝物は当然、住民に返すべきだ！
かつては城砦の各部屋に宝物がギッシリ埋まっていたそうだが、今はどうなっているのかわからないな。廃虚になってからかなりの時間が経っているしな。

だからすべての部屋を探して、宝物を見つけてきてくれないか？

精霊の種、華麗な首飾り、黄金の杯、古い金貨……こういう類のものだ。

急いだ方がいいだろう。最近は城砦に興味を示す者が大勢いるし、盗掘屋もたくさんいるからね。
正義を守るということは、そこまで大変な事ではないんだ。

自分が正しいと思う道をまっすぐに進むことが、その第一歩になるのだ。

俺にとってはその道とは、ブルストホーニンの民に尽くすことなんだ。
君を疑っているわけではないが……宝物を独り占めしようなんていう考えは、捨てたほうがいいだろう。

ブルストホーニンではそれらの宝物に、懸賞金が付いているはずだからな。

もちろん、君があんな悪に屈服するほど、汚い魂の持ち主だとは思わない。
素晴らしい！思ったより質も損なわれていないようだ。

君の持ってきたこの宝物は、パンデモニウムに寄付する。そうすれば換金されて、ブルストホーニンの住民のために使われるはずだ。

君のおかげで、暗くて殺伐としたブルストホーニンに一本の希望の光が差すようだ！