木の隙間や岩の裏までくまなく探したよ。

…ただ1か所だけを除いてな。

占いおばばの小屋だ。

どうしてもあそこには入れなかったんだ。魔女に見つかって魔法でもかけられたらどうするんだよ。

あの魔女のところに行って帰ってこなかったってやつがかなりいるらしいんだ。

だが、よく考えてみるとラン様はそこに行ったのかもしれないな。占いおばばの水晶玉がどれほど珍しいものなのかって聞かれたことがあるから。
大きな功績を上げれば親分も自分をバカにできなくなるっていつも言ってただろ。

でも、そんなところに行っちまってラン様は大丈夫なんだろうか？きっとあの年寄りの魔女にもワガママ言って相当しぼられてるんじゃないかな…

占いおばばのところに早く行ったほうがよさそうだ。

森の奥に入っていって標識が見えたらわき道に入れ。そしたら占いおばばの小屋が見えるだろう。
ウルゴルン盗賊団からあたしの話は聞かなかったのかい？

ここをどこだと思って来たんだい？

あたしの気に障ったら、魔法にかかって知らないうちに消えちまうってウワサも聞いてないのかぇ？
もしかしてあの生意気な小娘のことかぇ？

子どものくせに生意気だと思ったら、ウルゴルンが甘やかして育てたっちゅう一人娘だったのかぇ。

水晶玉を盗もうとして来たくせに食ってかかってくるもんだから厄介でね、たたき出してやったよ。
足があるんだから自分の行きたいところに行ったんだろうよ。

ウルゴルンの娘なんかのせいで騒ぎになったら、あたしも嫌なんだよ。盗賊団のやつらが親分の娘をよこせって文句つけに来たら面倒だねぇ。

でもタダで済ますわけにはいかないよ。ウルゴルンの娘を見つけたけりゃ、あたしの言うことを聞くんだね。

魔法を使うにはいろいろな魔法材料が必要なんだよ。

さっさと手に入れてくるこったね。
何をグズグズしてるんだい？

魔法を使うにはいろいろな魔法材料が必要だと言ったはずだよ！
ホワイト フット ダルーの前足にサップ ミューターの羽、それからフォレスト スパーキーの皮も全部集めてきたねぇ！

材料が揃ったことだし、ランの居場所を探すとしようか。
魔法は準備に時間がかかるんだ。急かさないでおくれよ。

魔法の材料を用意するのは大変だったろうに。プレゼントをやろうかぇ。
高価なものじゃないがね。お客用に作っておいたファンギ キャンディさ。

見た目はこんなでも味は一級品だよ。ひとつ食べてごらんなさい。
ファンギ キャンディの効果が一瞬で消えたと言うのかぇ？

そんなはずが…どうやらあんだには特別な何かがあるのかもしれないねぇ。

目を閉じな。
このあたしでも運命の一部分しか見えないだなんて、一体どんな未来なんだい！

一瞬しか見れなかったけど背中に羽があったから、あんだがディーヴァになるのは確かなようだね。

でも、あんだがそんな未来に耐えられるのかぇ。

未来を知るには急がなければならないねぇ。特別にランのところへ送ってあげよう。
パパが送ったの？

はんっ！それを早く言ってよね！