(小さい封筒に入っている古い手紙だ)

(封筒の中には黄色く色あせた紙がある)

(わからない文字だが、天族語と見られる)

(グンテルに持っていって助言を求めよう)
文書の復元作業をしていれば、龍族語はもちろん、天族語で書かれた文書も扱うことになる。

龍族語はシューゴに金を払って買ったポーションで習得したが、天族語はポーションで習えるものでもないしね……。

それに、堂々と勉強するわけにもいかないだろう？

やっとのことでシューゴから手に入れた本で独学して文法を覚え、辞書を引きながら苦労して覚えているところさ。
これは天族語だね。勉強だと思って翻訳してみてやろうか？

(古い本をめくりながら、色あせた手紙を翻訳している)

これは何とも悲しい手紙じゃないか。

魔族の地で死んだ天族のディーヴァが、娘に最後に残した手紙だ。

翻訳した内容を書いてやるから、一度読んでみろよ。それから、手紙の宛名の人に届けたほうがいいと思うね。

ユプロシュネ村のアルモニアという娘に送る手紙だが、かなり時間が経っているからな。その子孫だというヘリオネがもし覚醒でもしていたら生きているかも知れないね。
魔っ、魔族！魔族が！

神……神……神官様！

じ、自警団はな……何を……。

(外へ逃げようとする)
アルモニア？アルモニアは、かなり前に亡くなった母の名前だけど……。

子供のころ、この村に住んだことがあると聞いていたけど、まさか……。

(手紙を読みながら)私のおじいちゃんはアビスへ行ったきり、戻ってこなかったと聞いています。魔族の地で母を懐かしみながら、亡くなったんですね。

大変だったと思いますが、ここまで届けてくれてありがとう。

他のディーヴァ様に見つかる前に、早くお帰りを。そして、これはわざわざ来てもらったお礼ですから、受け取ってください。