ここです、ここ！

命令を受けて、私を救出しに来られた方ですね？

どれだけ待ち焦がれていたことか。

早く出してください。
あら、勘違いだったんですね。

シュラクを買収して、救助要請のメッセージを送ってからずいぶん時間が経っているんです。それで、てっきり私を救出しに来られた方かと思いました。

じっとして、ただ待っているわけにもいかないし……。

こんなところで会ったのも何かの縁ですし、私のお願いを1つ聞いてくださいませんか？

あそこに見える天族を倒してほしいんです。
実は、これまで何度も牢獄からの脱出を試みてきたんです。でも、そのたびにあのエリオスの捕虜が邪魔をしてきました。

寝ることもなく私を監視しているようで、脱出しようとすると奇声をあげながら牢獄の扉をうるさく叩いて、看守を起こすんですよ！

それで脱出できず、救助要請を出したんです。

どうか、あの天族を倒して、そのついでに古いふろしき包みも持ってきてください。死んだ敵の荷物を確認するのは捜索の基本なのです。
(天族語で書かれた文書を見ている)

(文書は捕虜になる前、天族との戦闘中に奪ったものだ)

(独り言で) フウ、いったいなんて書いてあるかさっぱりだわ。こうなるとわかってたら、天族語を習っておくんだったわ。

(ニヤリと笑い)それにしても、いくら読めない天族語でも、字が下手だってことだけはわかるものね。

(人の気配を感じ、見ていた文書を隠す)ああ、来てくださったのですね！
(古いふろしき包みを調べる)

まあ、たいしたものは入ってませんね。すべて、普通の個人の持ち物だけです。

ところでパンデモニウムに行かれるのでしたっけ？そうならば、もうひとつお願いします。

沈黙の審判所におられるアニータ様をご存知ですね？あの方に、私が無事に脱出したと伝えてください。

ここを脱出してシュラクの後を尾行するつもりですが、もし遅れて誰かが救出しに来るといけないので、お願いします。
やれやれ、バカなパルテン……。

世の中でもっとも信頼できない連中が、海賊だってことを知らないのかしら。

こんなことじゃあいけませんね。パルテンが帰ってきたら、厳しく教育しなくては。そんな初歩的なことすら分かっていなかったんですからね。

とにかく、今回のことは感謝します。受け取ってください、これは部下を助けてくださったお礼です。